「英雄を作るのは私たち…」父親たちの星条旗 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
英雄を作るのは私たち…
改憲論者は、硫黄島での彼らの経験をする覚悟はあるのか。
英雄ープロパガンダ・資金集めのために演出され、作り上げられるもの。
そんなスローガン・偶像を必要とする人々。アイドル。他者と同一感を得られる存在。熱狂的な高揚感。
やがては脱価値され、忘れられる存在。そんな運命に翻弄される男たち。
トラウマの残酷さを際立たせている。
しかも、周りは無邪気にフラッシュバックを誘発する状況を作り出す。
戦場での役割の違い。生き残ってしまったことへの意味付け。支えてくれる人の存在。
自分がやってきたことが全否定されたら、自分から新しいものを見つけて「過去は過ち」というのならいいけど、自分を支える何かがないのに経験を否定されることは魂の殺人だ。だから、「戦争が悪」とかのベクトルだけで語ることはできなくなる。
それ以外にもこの戦争に直接関わった人々の悲劇がさりげなくまんべんなくちりばめられている。
今トラウマを抱えている人々が経験している物語。
かっての戦争の話であると同時に、今の私達の物語だと思った。
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