「プロパガンダ」父親たちの星条旗 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
プロパガンダ
硫黄島の激戦は日本軍の地下壕を巧みに張り巡らせた捨て身のゲリラ戦により海兵隊史上最悪の戦傷者を出した。制圧の証の星条旗を掲げた兵の戦場写真(AP通信)が新聞紙面を飾ると国内の士気が高まったことから政府は当該兵士を召喚し軍費調達の為の広告塔に利用することにする。実際には何度か星条旗は深夜日本兵により日の丸に替えられ、その都度揚げなおされたようだ。
当事者にしてみれば壮絶な戦いで多くの戦友を目前で失った記憶や真の掲揚者ではないにもかかわらず本国に召喚され英雄と持ち上げられるギャップに心中穏やかでないのは察しられる。
なにか「プライベート・ライアン」に通じる戦争の恣意的な側面を垣間見たような実話に基づく映画であった。
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