「いかにも日本的なもの」硫黄島からの手紙 うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
いかにも日本的なもの
クリント・イーストウッド監督作品ということになっているが、「らしさ」は感じられない。『父親たちの星条旗』に、厭戦感や時代を生きた空気のようなものが込められていたのとは対照的だ。いかにも日本的な忖度が働いたように思える。戦った当事者同士が、この戦争を振り返った時に、両者にとって都合のいい映画なんて成立するわけがない。だったら、2本作っちゃおうなんていう、ありそうでなかった企画。
だからなのか、この映画は、『父親たちー』がないと成立しないのに、逆は無い。『父親たちー』は、映画として自立しているし、それ一本だけ見ても十分楽しめる。ところが、この映画は名前だけ借りて、ついでにもう一本撮っちゃったようにしか思えないのだ。興行的にも、クリント・イーストウッド作品としても、黙殺されていくとしか思えない。
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