「信念の闘士、マルト・ケラー!」ブラック・サンデー 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5信念の闘士、マルト・ケラー!

2010年11月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

当時キネマ旬報で特集が組まれ、傑作という評判だったのに、爆破予告があったせいで、結局未公開に終わったいわくつきの作品。今でさえ、テロというといろいろ浮かぶが、その頃はあまりピンと来なかったし、身近ではなく遠い国の出来事というイメージだった。原作は「羊たちの沈黙」で有名なトーマス・ハリス。悔しくて原作をむさぼり読んだ記憶がある。映画は「ジャッカルの日」のように、追う側追われる側双方が描かれ、緊迫感がありおもしろかった。ロバート・ショウ演じるカバコフ大佐の執念がひしひしと伝わってきたし、何よりブルース・ダーンをあやつるマルト・ケラーがかっこよかった。悪女ではなく、闘士としてこんなにかっこいい敵役はめったにいない。映画館で観たかったが、30年以上経ってからやっと観ることができてうれしかった。

瑞