「名作だ。鑑賞してよかった。それもスクリーンで。」明日に向って撃て! いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
名作だ。鑑賞してよかった。それもスクリーンで。
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実はアメリカンニューシネマを代表するこの作品を全編通して鑑賞したことがなかった。テレビで何回も放映されてきたはずなのに。
たまたま、ポール・ニューマン特集でスクリーン画面で観ることができた。主題歌「雨に濡れても」は、何度聞いたことか。千回を下らないと思う。
五十年前に製作された作品なのに、古さは全く感じない。また、バカラックの音楽も洗練されている。カーティス音楽院在学中、先生から君は美しい旋律を書くことが出来る。それを活かすようにと忠告された。本当に良かった。この忠告がなければ、幾多の名曲は生まれなかったかもしれない。
この映画の公開当時学生運動に陰りがさしてきた。時代に取り残されて、あいも変わらず銀行強盗を繰り返すブッチとサンダス。社会に組み込まれて行く当時の若者(全共闘世代)がこの映画に熱狂したのもわかる。殺される直前まで夢を語るニューマンに共感したことだろう。
ところで、全共闘世代は当時を総括する名作(小説、映画)をまだ世に出していない。彼らはこのまま死んでいくのだろうか。村上春樹はこの世代だが、学生運動からは身を引いていた。少し年下の荒井由実の「いちご白書をもう一度」が代表になってしまうのか。いい曲だけど、私にはちょっと感傷的すぎる。あと、高野悦子の「二十歳の原点」もあった。これは日記だ。奮起して下さい。まだ、時間はある。
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