「《愕然》 黒澤プロの第一作が、こんな胸糞映画だったとは....」悪い奴ほどよく眠る bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
《愕然》 黒澤プロの第一作が、こんな胸糞映画だったとは....
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タイトルだけは知っていたけど、全くの初見。
1960年の黒澤作品は、戦慄のバッド・エンド。これはキツイ。フィルム・ノワールとして、今日的な過激な作品に慣れてしまった身からすれば、物足りなさも感じてしまうけど。このラストは衝撃的であり絶望的。
にしても思うのは。
暗黒社会に対する恐怖と同時に、憎悪を掻き立てるには、充分過ぎるほどの描写力であるわけです。黒澤明と言う映画史に残る巨匠の凄まじさを、まざまざと見せつけられた気分です。
復讐するには「悪」が足りない。悪を排除するには、それ以上の悪を行う覚悟が要る。って言うのでしょうか?
いやいや、それは違う、って信じてますけどね。
「夕べは一睡もしてないので」
⇒「悪い奴ほどよく眠る」の題字
つまりは、更に悪い奴が上に居るのだと示唆して終わる150分のモノクロ作品は、昭和35年の黒澤プロ設立の第一作。つまりは、黒澤明が、当時、一番描きたかったもの。
あれから60年。悪いヤツは多様化し、より巧妙になり、善人顔で甘言を弄し、我々の前に現われたりします。
それ以上の悪にならなければ、それを排除できない世界。それが現実なら、「それ以上に、巧妙に、善人顔で甘言を弄する」って言う手もありますね。
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talismanさんのコメント
2021年2月12日
bloodtrailさん、おはようございます。映画に詳しくて黒澤が好きな、今は亡き人から、黒澤の中でも是非見てほしいと言われたのがこの映画です。予備知識なく見ましたが、すごくパワフルで圧倒されました。