ワイルド・アット・ハートのレビュー・感想・評価
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独自性と奔放さに溢れたすばらしい映画
評価された理由はいろいろありそうだけど、一番はやっぱり躊躇いのなさ、思い切りの良さなのだと思う。
デスメタルでダンスをさせたり、メインキャストをすっ裸にしたり、安っぽい魔女をイメージ映像にしたり、一見それらは完成度を損ないかねない要素なのだけれど、なんというか、いいと思ったらやってしまう、という天真爛漫なまでの素直さが映像から溢れている。
そして誰もが見ながら思うにちがいない、どんどんルーラが美しい女性に見えてきてしまう不思議。最初から一貫した女性像を描いているのに、ストーリーが進むにつれ見ている側に心境の変化を起こさせる。たぶんそれは、美しい女性像、というものを監督が明確に持っているから。
当時の映画評でこれ、北野武監督も賞賛していました。
最高だった
カナザワ映画祭2014の爆音上映で見た。大昔レンタルビデオで見て以来で、DVDも買ったけど見ていなかった。今まで見返さなくてよかった。
セクシーであることに一切ためらいがないセイラーとルーラの生き様が非常にすがすがしい。目いっぱい自由に生きようとしていて、そこに曇りのなく疑問の余地もないところが素晴らしかった。しかし自由を満喫するにはお金もかかる。泣く泣く犯罪に手をそめてしまうのは悲しかった。
以前に見た印象はウィレム・デフォーの頭が吹っ飛ぶところとヘビ皮のジャケットばかりが印象に残っていた。サントラCDは買って音楽は親しんでいた。
ちぎれた手首を犬がくわえてどこかに行ってしまう場面は何の映画だっけ?と思っていたけど、これだった。素っ頓狂で悪趣味で面白い場面だった。
爆音上映であるため、ダイアン・ラッドのキンキン声でわめき狂う度に頭がズキズキした。彼女が依頼した殺し屋がセイラーにたどり着く前に事件が起こったのか、不発なところが変だった。彼女の怪演ぶりは恐ろしいけど、けっこうしつこくてお腹いっぱい。すごすぎて編集できれなかったのだろう。
結末の『ラブミーテンダー』があまりに素晴らしくて鳥肌が立った。素晴らしいハッピーエンドの余韻に浸りたかったので、この映画で映画祭は終わる事にした。
オレみたいな凡人は頑張って技術を身に着けて何かできるようになって、それでどうにかしようとするのだが、セイラーのように素で魅力があったり強かったり無鉄砲であったりすることに圧倒され、憧れる。戦場などで生き残るのはきっとそういうタイプだと思う。
(20260609)
リンチの伝記本『夢見る部屋』を読みながら見返す。12年ぶりであることに驚愕する。改めてちょいちょい知的障害者や精神障害者が現れて絶叫する。そんな人がやたらと多く露悪的なところが目に付く。この12年の間に受け取るこっちの感覚の変化に戸惑う。しかしそれでもやっぱり表現のフルスイング、特大ホームランだ。
セイラーのタフっぷりやリーゼントみたいだけどよく見ると頭の左右両端が出っ張りすぎな変な髪型、蛇皮のジャケットがかっこいい。ルーラはくしゃおじさんっぽい。ふたりとも床に吐いたゲロを片付けない。あんな生活力がまるでなさそうな彼女が6年間育児をしていたと思うと切ない。
ルーラのお母さんが裏の主役で出番が多い。おばあさんになっても娘みたいな気質のままで本人もさぞ苦しいだろう。
愛と暴力と、、
ほど良いリンチ加減
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