「スタローン親バカ日記。 ロッキーはいつ何時、誰の挑戦でも受ける!」ロッキー5 最後のドラマ たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
スタローン親バカ日記。 ロッキーはいつ何時、誰の挑戦でも受ける!
『ロッキー』シリーズの第5作。
ドラゴとの死闘により身体に重大なダメージを負ってしまったロッキーは、第二の人生を歩み始める。
そんな彼の前に、ハングリー精神に富んだ若者トミー・ガンが現れる…。
○キャスト
ロッキー・バルボア…シルベスター・スタローン(兼脚本)。
アカデミー作品賞を受賞した『1』と同じ、監督:ジョン・G・アヴィルドセン×脚本:シルベスター・スタローンという座組みで制作された、シリーズ堂々の完結作(だった)!
この座組みを見るだけで、本作がスタローンにとって如何に意欲作だったのかが見てとれる。
自分のキャリアそのものとも言えるロッキー・バルボアとの別れ。そりゃ気合も入っていた事でしょう。
しかし、その内容はというと…😅
いや、決して嫌いじゃないんです!
むしろ普通に好き。
だって、トミー・ガンのことが好きすぎてウキウキしてるロッキーが可愛いんだもん💕
しかし、いくらなんでもこの脚本は出鱈目すぎるっ💦
親子の絆の再生とか、疎ましかった故郷への念の雪解けとか、やりたい事はわかるのだがそのプロセスがあまりにもカオス🌀
偉大な世界チャンピオンが路上ファイトでケリをつけるって…。
こういうのを「カタストロフィ」っていうのかしらん?
普通にリングの上で白黒はっきりつけるという展開ではダメだったのでしょうかねぇ…。
『ロッキー2』ではスタローンの次男セルジオが演じていたJr.を、今回は長男のセイジが演じている。
これが家内制手工業ちゃんですか?
ハリウッドスターとなり、多忙を理由に家庭を顧なくなっていたスタローンが、自戒の念を込めてこの脚本を書き上げたのだろう。
…が、これは流石に公私混同が過ぎる!😅
ホームビデオでやれホームビデオで!
そして、『ロッキー4』から『5』の間でJr.成長し過ぎてる!!
作中の経過時間は多分2ヶ月くらいだよね?ソ連とアメリカでは時間の流れが違うのか…?
自分の息子を出演させたかったのはわかるけど、そのためにシリーズの時空が歪んでしまっている。
キリスト教の熱烈な信者であるロッキー=スタローンらしい、「赦し」の物語。
破産のきっかけを作ったポーリーを責めず、自らを裏切ったトミーの勝利にも全力で喜ぶ。
決して他人を責めることはせず、ただ愛のみを信じる。
まさにロッキーは現代のキリスト〜🧔🏻♀️✨
…と思っていたら、最後は普通にぶん殴ってた。この物語は一体なんなんだ…?
『クリード』の名演により、最高の栄誉の一つであるゴールデングローブ賞を受賞したスタローン。
今でこそ皆んなに尊敬される映画人だが、80年代中盤〜00年代中盤まではとにかくコケにされまくっていた。
そりゃあ、自身の代表作の最終章でこんな映画を作っていたら、みんなにバカにされてもしょうがないよなぁ…😅とか思ったり…。
いや、俺は好きだよ『5』。好きだけどさぁ…。
弟子の育成失敗、というロッキーの傷。
この設定が『クリード チャンプを継ぐ男』では伏線として生きてきた。
これにより黒歴史と化していた『5』に存在意義が生まれたのである。
シリーズ最低評価の作品まで救済。
つくづく『クリード』は名作だなぁ、と思うね💥🥊