レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会うのレビュー・感想・評価
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このすっとぼけた感じ
ニューヨークからフランス・ドイツ・チェコ・ポーランドを経て故郷を目指すロードムービー。 前作メキシコで成功を収めた彼らだったが、やがてテキーラに溺れ衰退。 もう見てくれがくたびれていて、服装もメキシカンスタイルです。 そんな中現れたモーゼと名乗る元ウラジミール。何だかんだと、結局はまたウラジミールの独裁の下での旅が始まるんですね。 海で渡った先に居た現地のカウボーイズとも合流して、再び極貧の旅が続きます。 やはり旅の道中でさまざまな楽曲が聴けて豪華。 特に「アイアイテキーラ」やCIAによる「ギニワッチ」が格好良かったですよ。 そして長い旅の末、無事故郷へ辿り着き大団円。 CIAと鼻以外は。 今作は思想や宗教を盛り込んだ作りもあって、少しシュールな笑いでしたか。 それでも、このすっとぼけた感じは面白かったでですよ。
旧約聖書やキリスト教の新約聖書のパロディのような映画だね。例えば、...
旧約聖書やキリスト教の新約聖書のパロディのような映画だね。例えば、ウラジミールがバンドのメンバーに食をあたえず、演奏させて、もうけは全部自分の懐にいるるところ。それは、(エジプトの人は)監督(ウラジミール(Matti Pellonpää) )を置き、バンドメンバー(イスラエルの民)を苦しめている。他にも、シベリアの地にモーゼ、ウラジミールは戻ってこない(エジプトを逃れカナンの地に帰るが、モーゼはでカナンの地に戻ってこなかった。)皆が、バスで国境越えをしているが、モーゼ、ウラジミールは空のボトルを税関に提出している。バンドは家に戻り、生まれたばかりの子牛にプレゼント(馬小屋でキリストが生まれた時、東方の三博士がイエスを礼拝しに来る)。家族は帰還を祝って盛大なパーティーをする。(放蕩息子の帰還を祝って、祝賀会をする)などなどと、風刺風に描いている。
River of Babylon も詩篇の137からの詩
ドイツの ライプツィヒ でモーゼ、ウラジミールはバンドメンバーと聖書と共産党宣言の文章を交換する。ここのところが理解不足であった。共産党宣言と聖書の比較の意味が何をもたらすか?よくわからなかったけど、監督は両方ともに好感を持っているように感じなかった。
『救うのはキ●ストだ。モ●ゼは商売をする。』
アメリカはソドムとゴモラの地なんだね。
やっぱり、NATO軍出てきましたね。
プロレタリア独裁の訓示とユダヤ教(キリスト教)の比較がありましたが、共感できますね。
『must』って言われてもなった試しがない。
ライプチッヒで突然『バビロンの河』が登場した時には鳥肌が立ちました。
やっぱり、中央ヨーロッパから東のスラブも含んだヨーロッパって大乗キリスト教(個人造語)で『信じればみんな救われる。』それで、西ヨーロッパって『ユー・レイズ・ミー・アップ』で、『磨けば自分はスキルアップする。』つまり、小乗キリスト教(個人造語)なんですよね。
さて、この人達の音楽随分とエキセントリックなモダンなロックに見えるかもしれませんが、決してドリ●ターズ(日本国)やクレ●ジ●キャッツのマネではありません。これは少数民族のロマの音楽なのです。構成員の数や楽器の種類から分かります。
チャイコフスキー交響曲第6番『悲愴』で締めくくる。
そして、ベラルーシかウクライナの地でアメリカの元CIAが『いとしのクレメンタイン』を歌って終わる。走る穀倉地帯から見て、ロシアではなく、ウクライナの黒土穀倉地帯。
追記
もみの木(?)にガソリン(?)かけて燃やすシーンはひょっとして、タルコフスキーへのオマージュ?鳥肌が立つ。
前編・後編 一気観
自分はこの後編扱いの本編「モーゼに会う」のほうが好きでした。 前編「ゴー・アメリカ」はシナリオ・アイデアの奇抜さと可笑しみで楽しませてくれる。 そしてこの後編「モーゼに会う」は、その旅の精神性の深さというものに焦点を当てていて、たいへん唸らされましたね。 二作は続けて一気に観るべき。カウリスマキの鬼才ぶりが判ります。
無力な男たち(世界地図から消え失せた)故郷に帰る
無力な男たちが何処までもキュートに帰郷するだけの映画だ。 しかもその帰郷する先のソ連はもうすでになくなっていて何処にも帰れないはずなのだが、何とかしてどうにか帰る、その道中がたまらなく愛おしく丁寧にショットで描かれていていく。 途中のヨーロッパの何もない草原や寂しい街を赤いボロボロのワゴンが走っていく、そんなショットを観ている内にたまらなく愛おしく、鼻の奥がツンとする感覚になる。 無力で終わっている男たちをこんなにキュートに描けるのはアキ・カウリスマキしかしないのだ。
【前作のインパクトが強かったからか、レニングラード・カウボーイズの故郷に戻る珍道中が、余りインパクトが感じられなかった作品。】
■とんがりリーゼントにサングラスのロックンロール集団、レニングラード・カウボーイズはメキシコで成功しかけたものの長くは続かず、今やすっかり落ちぶれていた。 そんな彼らの前に、失踪していたマネジャーが突如現れ、モーゼに生まれ変わったと言い。彼らに故郷に戻ると、お告げする。 <今作は、アキ・カウリスマキ監督がフィンランドを飛び出して、超短期間で製作した作品だそうだが、故にかロード・ムービーとしての面白さが希薄になってしまっている。 世間的評価も低く、アキ・カウリスマキ監督は次作以降、母国フィンランドでの制作に専念し、秀作を多数産み出しているのである。>
自由の女神像
最初の前置きとしてメキシコを安息の地にメンバーの半数がテキーラの魔力からアルコール依存症になり死亡、残った五人のメンバーがメキシカンの風貌に、とんがりブーツと髪型だけは健在、前作でストーカーみたいにバンドについて回ったアイツはロードマネージャーに昇格!? 権力を振りかざしたウラジミールがモーゼスと名乗りメンバーと再会、唐突に新メンバーも合流し前作同様にウラジミールの言いなりで訳の分からぬまま帰国の一途を辿るが、その過程がメチャクチャ過ぎて呆気に取られてしまう。 オフビートな笑いとチープでシュールな世界観、全くもって緊張感のカケラも無い物語展開に面白さが地味に込み上げてくる、一人一人のキャラに愛着と滲み出る哀愁に癒されながら、生きる気力も適当に緩い気持ちで歩む人生ヲ。。。
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