レオン 完全版のレビュー・感想・評価
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マチルダを中心に22分のシーンを追加、ベッソンがこだわるも全米では未公開の完全版
映画ファン中心に56万人を動員したが、2週間前に封切られた「フォレスト・ガンプ」の大ヒット(推定動員500万人超)で今いち印象が薄かった「レオン」の日本興行(95年3月)。その1年半後に公開された「完全版」は単館規模ながら超ロングランを記録してリベンジを果たし、ベッソンの名は広く知れ渡った。
復活した22分は大きく分けて2つ。マチルダが殺しの助手になるパートと、DEAから脱出した夜レオンに告白するシーン。特に監督は後者のフッテージにこだわったが、米のリサーチ試写では児童ポルノだというクレームが殺到し削除していた。そもそもオーディションの時からナタリーの両親は殺人、銃、喫煙、性愛などの要素に難色を示していたが、監督は本人の意思を尊重してくれと主張、最終的には11歳だった彼女自身が出演を決断した(最近のインタビューでナタリーは「あれは性的対象とみなされ不適切だった」とコメント)。
通常版は50カ国以上で公開されたが、この完全版は前述の理由から米では公開されず、仏、日、独、露など6カ国でしか配給されていない。
なお冒頭の標的「太った男」の情婦役は当時ベッソンの妻であったマイウィン。彼女は「フィフス・エレメント」にも異星人オペラ歌手に扮している。
ゆっくりしたストーリー展開ながらわかりやすい構成でストレス無く観れ...
ゆっくりしたストーリー展開ながらわかりやすい構成でストレス無く観れる。
まだ幼さの残るナタリー・ポートマンの表情豊かな演技が素晴らしい。
ジャン・レノも朴訥とした殺し屋を好演しているが、特に印象的なのはゲイリー・オールドマンの狂気じみたジャンキー刑事の演技。これが無かったらもっと薄っぺらい映画になっていたかも知れない。
レオンが少年のような瞳で映画を観るシーンや、マチルダが泣きながらドアを開けてと懇願するシーンが心に残る。
ラスト、マチルダがレオンが大切にしていた鉢植えを大地に植え直したところで流れるスティングのエンディング曲が感動的。
凶暴な純愛
レオン完全版、リュックベッソンが泣く泣くカットされた部分を取り戻しての公開となった作品。ロリコンとか暴力的だとか色々言われるが、やはりこちらがオリジナルな作品であると思う。日本語サブタイトルの「凶暴な純愛」が素晴らしく表現している。これ程ピッタリのサブタイトルも珍しい。
この作品は紛れも無いロマンスなのである。歳の離れた男と少女の純愛の物語なのである。ナタリーの演技が大人顔負けの艶やかなな演技を醸しだし背伸びをしている少女を熱演していた。またヴィラン役のゲイリーが主演の2人を喰う演技をしていた点も見逃せない。そしてエンドロールで流れるスティングの曲があまりにも切ない…
【追記】
またBDで再度鑑賞した。最後レオンがダストシュートにマチルダを下に降ろす際、キスをすると勝手に記憶違いしており…実際はキスをしていないのに驚いた。やはりこの作品は"純愛"意外の何ものでもない事に改めて気付かされた。間違い無くこの映画はリュックベッソンの最高傑作である。
大人のような少女と子供のような殺し屋
この作品の見所の一つは、マチルダのあやうさ、アンバランスさ。きっとナタリー・ポートマンが一歳若くても、一歳年上になっていてもこの作品は成立しなかったのではと思う。
そんな彼女に振り回されながら人間性を取り戻していく殺し屋を、ジャン・レノが緊迫感と戯けを織り交ぜながら見事に演じている。サングラスに隠された愛嬌たっぷりの目はとてもキュートだ。
そしてなんと言ってもゲイリー・オールドマン。怖さ、残忍さ、振れ幅の大きさ、不安定さ、色気、全てが渾然一体となったこの予測不能な壊れっぷり。緩みがちな雰囲気を、彼が一人で作品を引き締めている。
作中、「私は大人よ、あとは年を取るだけ」というマチルダにレオンが「俺は年を取ったが子供だ」と返すシーンがある。しかし、実際にはマチルダはどうしようもなく子供で、レオンは読み書きが出来なくても立派な大人だ。
マチルダの感情的で短絡的な行動は、結果としてレオンを絶体絶命の危機に追いやる。それでもレオンは、最後まで子供を守るという大人としての責任を果たす。更に、彼女の弟の仇であり、将来の障害となるであろうスタンフィールドを道連れにして果てる。
あと少しで明るい外に出られる所まで来た時の表情はとても印象的。あの明かりの先に、どんな光景を思い描いていたのだろうか。
カッコいい&サイコー&...
ディレクターズ・カットである完全版をNetflixで鑑賞。
今作のバージョンは、喫煙しながら登場する自称18歳の少女マチルダ・ランドー(ナタリー・ポートマン)の、劇場公開版(オリジナル版)ではカットされていた問題シーン(リアルな殺人テクニック伝授場面、飲酒、性体験の言及など)が加えられている。
人を殺して食べている、というとカニバリズムと誤解されそうなので言い換えるが、人殺しと引き換えに報酬を貰って生きている孤独な男レオン・モンタナ(ジャン・レノ)...カッコいい。
麻薬密売組織を裏で牛耳る刑事ノーマン・スタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)...サイコー。
演技とは思えないほど素晴らしいマチルダ......。
記憶の書き換えに自分でびっくり
レオン。
人生でもいくつ観れるかわからない傑作のラブストーリーの一本です。心に刺さらなかった人は、きっと違う星の住人だと思うことにしています。
この映画にはいくつもの奇跡のシーンが映し出されでいます。
マチルダが襲撃を受けた自室の前を、他人の振りして通過するときの表情。
ドアを開けるレオンの葛藤。
ヤクをきめるゲイリー・オールドマン。
きっと裏切っているレオンの育ての親で、でもいっちょ前にマチルダに説教たれるマフィアのボス。こいつがいちばん悪い。ぜったい。
マチルダが成長したら『ニキータ』とか『コロンビアーナ』になるに違いない世界観。
スティングの唄。
植木。
脚本が素晴らしい。そして、役者のスキルを最大限に引き出す演出。
ムダを極力省いた小気味いい編集。だから、いろいろと想像出来て面白いのに、完全版とかリリースされたら、その楽しみがなくなってしまう。少なくとも、ナタリー・ポートマンがマリリン・モンローのモノマネをするシーンは必要ない。見たい人だけが見ればいい。DVDのおまけで十分。
だから、この映画見たことがない人は完全版から先に見ないでほしい。だって、ちっとも完全じゃないから。
これを書いたのちに、たまたま見直してみたらびっくり。
完全版だろうと、オリジナル版だろうと、どっちにもモノマネのシーンはあるし、マチルダと一緒に襲撃をくり返し、手りゅう弾のピンを使った作戦は、ラストの重要な伏線になる。
その他にも、レオンの過去の打ち明け話や、マチルダが早く大人になりたい背伸びガールなエピソードなど、オリジナル版でカットされたのは、どれも必要と思われる重要なシーンで、むしろ完全版以外は見る必要のない映画だなと、認識を改めました。
20年ぶりの鑑賞
昔DVD購入して大好きな作品でした。
地元のミニシネマで上映すると言うことで、観に行ってきました。四十人ほどの客席の半分ぐらいは埋まっていて、四半世紀も前の映画なのに大勢の人と観れて嬉しかったです。
レオンとマチルダを中心にキャラクターが丁寧に描写され、レオンやマチルダの行動に説得力がちゃんとあり、レオンが戸惑いながらもマチルダを受け入れ、マチルダの復讐に巻き込まれていく様が丁寧に描写されていく素晴らしいです。
リュックベッソン監督作品全体として言えることですが映像表現が美しく90年代の荒んだニューヨークの街並みもグッと来ますし、マチルダの幼い背伸びした美しさも良いです。
今後も受け継がれていく名作であり続けると思います。
性癖雰囲気映画
……なんてタイトルつけてると批判的って思われそうだけど、孤独な殺し屋が孤独な少女と出会って心を通わせる、なんてストーリー誰でも性癖ド真ん中(偏見)だし、娯楽映画としては満点。
まぁ最強の殺し屋設定にしては色々脇甘くね?っていうのがちょっと引っかかった部分ではあるけど……。孤独な殺し屋が少女の為に命を賭けて助ける自己犠牲と、それを彩るスティングの曲。雰囲気は間違いなく最高。
ただ、純愛って言うにはレオンは間違いなくマチルダのこと大切に思ってはいたけど異性愛ではないと思うし、両思い的に語ってる人がいるのはどうかと。家族愛でも友愛でも恋愛でもない庇護欲に似たナニカで成り立つこの不安定な関係だからこそ光るものがあるんじゃないかと
その点で言えば雰囲気を楽しむ娯楽映画の域は過ぎなくて、純愛に泣くような映画ではないと思う。あくまで個人的な感想だけども。いや、最後のシーンはその純愛で泣ける部分ではあるんだけどね、矛盾するけど。その"純愛風"に守られてきた二人の最後に泣けるのであって、純愛そのものに泣くものではないってこと。伝え辛いな。
逆に言えば、その"純愛風"に縋り付くいい歳した孤独なおっさんと少女の物語を楽しむには"性癖雰囲気映画"として観る以上のことはなく。そして何よりそれが娯楽映画として完璧であることが、このレオンの魅力なんじゃないかと思うわけだ。決して純愛の崇高な文学的映画としてではなく、あくまで拙い愛に希望を見いだせた二人の喜劇として観るべきだと。
完全版は完全でなく
映画ファンによって語り継がれる名作のひとつ。
排他的でハードボイルドでなにより愛にあふれる。
今回完全版を初めて鑑賞したが、内容に驚いた。オリジナル版が作られたのも納得だった。
昔見たオリジナル版は、孤独な二人が出会うべくして出会い、親子ではない恋人でもない関係性がうまれてお互いを必要としていく。そんな作品だった。
だから男女の関係を語るシーンはとても違和感があった。利発だがまだ12歳のマチルダはそんな事は言わないだろうと思った(たとえ育ったのがあの家庭だったとしても)。
「君は俺に生きる光を与えてくれた」の台詞が活きるのは、年齢差も性別も超越した絆があったから。その二人の絆に深く感動したのだった。
完全版の内容に物申すのは作品のファンとして本意では無いのだが、世界観は間違いなく圧巻。ジャン・レノとナタリー・ポートマンは素晴しい。この二人でないとこの名作はあり得ない。
終止 銃と牛乳が出てくるのが非日常と日常・または二人のことを表しているようで、そのコントラストも面白い。演出も秀逸。
いつ観ても名作は色褪せないなと感じた。
少女の復讐心と生きるための出会いが、孤独を決めた殺し屋の男の人生のひとときを仄かに照らす
大人びたこどもならではのマチルダの言動にはらはらしたのは彼だけではない。
そして、レオンの見捨てない責任感、朴訥な優しさ、ヒットマンとしての頼もしさの魅力に惹かれていくのも彼女だけではない。
簡単にはいかない人生。
それを感じれば感じるほど、スティングの楽曲が二人に通じた特別な愛に寄り添うのだ。
静かな感情は音色とマーブリングしながら心を浸し、マチルダをそっと見守るレオンの不器用な笑顔を浮かばせ滲ませる。
この世で繰り返される偶然のようで必然の出会いだったのだろう。
彼がどこに住みかえても手放さなかった鉢の植物があの土地に根づく頃、護られた命が、その生き様を胸に刻みながら一つずつ成長していくことを祈った。
最高
私が映画をすきになるきっかけとなった映画。
レオンを1度も見たことがないという人は是非こちらの完全版の方を見て欲しい。完全版の方がレオンとマチルダの思い出シーンがいくつか収録されており、ラストの感動をより深いものにしてくれることだろう。多く語りたいことはあるが、まず見てほしい、そう思える映画。
バランスよし。楽しいエンタメ映画。
様ざまな要素がバランスよく詰め込まれ、いろいろ楽しめてエンタメ映画としてはかなりよい感じです。
12歳の少女とレオンの関係はかなり曖昧だけれど、そこがよかった。人間関係は、こうだと決められるものでもない…。寂しかった二人に心の接点があった。まぁそれでよいじゃないの。しゃれた話。
バランスが良い映画だとわたしの場合は退屈に感じがちだけれど、この映画の場合は、俳優たちの演技がかなり楽しめたので退屈することはなかった。
特にスタンフィールド役。あの、ピリピリしてキレてくる感じ。気持ち悪い、でも見たい。吸い寄せられる。絶妙だった。ワタシ的には、彼が100点満点、マチルダ役90点で、レオン役が80点ぐらいといった感じ。ジャン・レノは、ここではもう少し口元を締めていただけると渋くてよかったのにな。が、意外とそんなダメっぷりもおもしろいのか。トニー役もひとクセありそうな感じが最後の最後まで気になった。マチルダの家族、スターフィールドの子分、それから最後に登場の学校の先生に至るまで、なかなかの楽しさだった。
12歳のナタリーが魔性すぎる件〜〜
随分以前にテレビでチラ見しただけで
今回初の映画館での鑑賞。
もう〜〜サイコー!!
何と言っても当時12歳のナタリー・ポートマンが魔性すぎて
観ていて女の私でさえ、ちょっと魅了されてしまったわ!
移民としてアメリカに来た孤独な中年の殺し屋と、
唯一の愛する存在を殺されたやはり孤独な少女が
仇を打つことで共に生きようとする映画。
公開当時の配給会社「日本ヘラルド」がつけたキャッチコピーは
「凶暴な純愛」 カッコイ〜〜イ!!
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
今回の完全版は公開当時はカットされていた部分が
ちゃんと入ってるとのこと。
どんなに「えげつない」のかな?と思ったのですが
未成年に銃を持たせるシーンや、
ちょっとおませなセリフがあっただけで
映像的にはそんなにキツくは無かったです。
そんな事より、19歳で移民としてアメリカに来たレオン。
殺し屋の仕事は完璧とも言える程こだわりが強いのに
字もろくに読めず、人と話すことも苦手で
今で言う発達障害なのかもしれないけど、
移民の先輩として頼りにしていたトニーも
結局はレオンを良いように利用していて
レオンの心根の純粋さを理解していたのは
昔の死んだ恋人とマチルダという孤独な少女だけ〜
なんて、悲しい〜〜
だから、ラストの展開にみんな涙するのよね〜
更に私は帰り道のショッピングモールの
キッチン用品売り場でピンクのミトンを見かけて
思わず涙が湧いて来てしまった〜〜
なんという天使なレオン〜〜
@お勧めの鑑賞方法は?
映画館で「凶暴な純愛」に身を委ねてください!!!!
星1つは、ナタリーポートマンの素晴らしい演技に(敬)。 【カッコ良...
星1つは、ナタリーポートマンの素晴らしい演技に(敬)。
【カッコ良さが薄っぺらい。暗殺者の凄みゼロ】
①過去のつらい経験から心を閉ざし、
②危険な仕事を正確にこなす冷徹さを持ちながら、
③迷いねこを助ける優しさも秘めた男
↑が監督の考えるカッコ良さなのはいいけど、それを薄っぺらく貼り付けただけのレオンに、魅力を1mmも感じない。
つらい過去が大したことない(嗤)のは1000歩譲って許すとしてもサ。
暗殺者としてのプロ意識に欠ける言動ばかりが続くのは萎えるわ。
シャッターの弾跡から中のぞくの危ないってイヌでもわかるだろwww。
素顔での暗殺業しかり、マチルダに正体がバレた瞬間「消そう」と思わないヌルさしかり。
暗殺道具を見たマチルダを地下水道に呼び出して殺そうとするけど、マチルダが「管理人のおばさんに、すぐ帰りますって挨拶してきたわ」ってフカして拮抗状態をつくる...そこから暗殺指南、とかすれば?
自分の身の安全はもとより依頼人まで特定されそうなワキの甘さがイチイチ勘にさわり、冷徹な仕事人としての凄みや、心を殺して仕事に身をやつす悲しみを全く感じなかった。
アパートの最上階カド部屋に住んだりレストランのど真ん中の席で食事したり、あんたバカぁ?
人物からにじみ出る凄みとか、生き様から醸し出される哀しみがゼロすぎる。
二流すぎませんこと?
えぇ〜?ぜ〜んぜんカッコ良くな〜い😩
さらには、ラストが台無し。
マチルダの成長を見せられるチャンスを盛大に逃がしてる。
※ネタバレ含むのでコメントで書きます※
表面的なカッコ良さ・渋さを写すことに終始し、人間的な魅力を描き出せていない映画。
見かけだおし&子供だまし。こんなんで良いの?
アメリカン・ニューシネマの焼き直し。だがそれも良い
熱狂的な愛好家の多い作品だが、1950年代アメリカ映画の有名役者達をあからさまに意識させるなど、お遊びにしても歯の浮くような演出が多く、商業映画の域を出ない。せっかくのゲイリーオールドマンの怪演も、全体のバランスからか控え目に留まっているのが惜しい。少女と殺し屋との愛をテーマにするには、脚本の練りが浅過ぎ、12歳の少女としては恋人ごっこが出来たことによる成長が関の山という感じか。
ただ、90年代に入ってもなお、役所の取締局が悪役と見分けの付かないような描写が観れるのは比較的新鮮か。2000年代以降のアメリカ政府の凋落を知っていると、この映画の麻薬取締局の横暴な描写は、案外時代を先取りしていたのではないだろうか。ほとんどアメリカン・ニューシネマの焼き直しという感じだが、映像や音楽、全体的なバランスの良さで総合芸術としての価値を高めたニューシネマへのリスペクトを感じさせる。
完全版たる効果の是非。
懐かしの作品を再び観ることに、ある程度のリスクを覚悟していたが、再び楽しめたので、ひとまずホッとした。
当時、ジャンレノが背後から撃たれるラストシーンのカタルシスに向けて真っ直ぐに集約されながらも、かつてカットしたシーンを加えたことによりストーリーに厚みが増した。
出演したことに後悔しているようなコメントもあるようだけど、ナタリーポートマンの初々しさや大人びた表情といった相反する演技は、今観ても全然色褪せない。
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