「演技力」レオン(1994) つぶろんさんの映画レビュー(感想・評価)
演技力
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買い物の帰り道、自身と家族の住む号室に差し掛かる時に、家族が皆殺された事に気付いたマチルダはそのまま素通りします。なぜならそこにはまだ敵の姿があったから。自身も家族だとばれてしまえば殺されてしまう状況です。マチルダは敵に悟られぬようにその先のレオンの住む号室まで助けを求め歩いていいきます。扉を開け、中に入れて欲しいと涙を流しながら懇願します。殺しが起きてからの一部始終を覗き穴から目撃していたレオンは、葛藤し迷いながらもマチルダを中へと入れます…
そしてレオンとの不思議な関係が始まるのですが、そこに至るまでのすべてが秀逸で、観ている者はその間、完全に作品へ引き込まれます。
ゲイリーオールドマンの演じるイカれた悪役の存在がその現場に漂う緊張や恐怖を一層濃いものへとさせています。
しかし、それよりも前述したシーン含め、マチルダ役のナタリーポートマンの演技が本当に素晴らしいです。
非現実が現実のように感じられます。
全体的な町の情景や雰囲気も良く、殺しの遂行シーンや戦闘シーンは敵目線から描かれており、アクション映画のようなハラハラ感ではなく、リアルな恐怖を感じられます。そしてレオンとマチルダの一見不思議な関係の描き方、これら全てが秀逸でした。
さらに、ストーリーも難しくなく、考えることをそこまで必要としないところが、作品に集中でき、浸れる理由なのかなと思いました。
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