「気づいたら僕がマチルダに恋してました。」レオン(1994) yum1さんの映画レビュー(感想・評価)
気づいたら僕がマチルダに恋してました。
レオンのどことない子供っぽさと純粋さ、マチルダのちょっと背伸びした感じが年の差を埋めているというか、とても釣り合っていました。
レオンが映画を見ているシーンの表情とか、ブタのパペットでマチルダを元気づけてあげようとしているシーンとかから伝わってくる純粋さがそれです。
マチルダは家庭環境とかがいろいろ大変で、タバコを吸ったりと結構グレていたりするのですが、貞操観念はしっかりしているし、うさぎのぬいぐるみをもっていたり、恋に関しても乙女でかわいいです。全然アリ。
なにかと物わかりが良く、賢い大人びた女の子。
殺し屋なのに殺し屋っぽくない、二人の楽しい生活も見どころでした。
レオンとマチルダが楽しく水を掛け合ったり、有名な俳優のごっこ遊びをするシーンがそれです。
レオンも先述の通り年の割りに子供っぽく、少女と遊んでるおっさんという文字にしたら怪しい図ですが、全然違和感がありませんでした。
マチルダは今までの家庭環境のこともあり、二人で騒いだり、遊んだり、あたりまえのことができる喜びをかみしめている感じがしました。
そして今まで夜間も襲われる心配をして満足に眠れないような生活をしていたレオンが、彼女との生活に生きがいを見出し、だんだんと心を開いていく感じも印象的でした。
二人は親子のようでいて、恋人のようにも見えました。
レオンは彼女のことをより大切に思うようになり、マチルダも同じくそうなっていきます。
最後にマチルダを脱出させる際に彼女に掛けた"I love you"という言葉がとてもグッときます。
エンディングでマチルダが観葉植物を大地に植えて、もうこの世にはいないレオンの「大地に根を張って暮らしたい」という願いに粋に答える彼女は本当に素敵です。
気づいたら僕がマチルダに恋してました。
いつかおっさんになってこんな素敵な出会いがあったらどうしよう。
夜も眠れません。