「私の中の子どもが目覚める。」レイダース 失われたアーク《聖櫃》 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
私の中の子どもが目覚める。
冒険活劇。
子どもの頃、冒険といえばという土地を軽く押さえてくれる。
エル・ドラードの南米。
雪男のヒマラヤ≒ネパール。
ファラオのエジプト。
でも、今回はアーク。ユダヤ教/キリスト教がらみ。そうか、モーゼの出エジプト記か。
「儀式・祭壇」と聞いて、カトリック系のものを想像していたら、なんと、ユダヤ教のラビが出てくる。子ども心に戻った私は、ファンタジーの世界に没入して、この映画のエピソードをもとに、ヒットラーのユダヤ人虐殺の意味づけをしてしまいそうになる(笑)。否、これは架空の物語だってと私の中の大人が諫めるけれど。
そんな、物語にどっぷりつかりたくなるほど、好奇心が刺激される。
宝探しとなると、その宝に行きつくまでの道程も楽しみたいところではあるが、この映画ではあっさりと見つかり、宝を手に入れる攻防に時間が割かれる。最近の映画に慣れている身には、あの人実はとうがってしまうが、信は信、騙すライバルはライバルと判りやすいのも、子ども心には気持ちが良い。
CGはどのくらい使ったのだろうか?
工夫して実写したようなシーンが多いが。
今だったら、トライする人いるのかな?と言うより、許可が出ないだろう。
山小屋の火事の中でのシーン。
映写の角度で、インディの顔すれすれに火が迫っているように見えるのかな?まるで、『魔界転生』のクライマックスシーンを思い出させる迫力。
飛行場でのシーン。
プロペラが廻っていて、かつ飛行機は微動する。そして迫る炎。
回っているプロペラの近くで乱闘すれば…。だが、撮影している間だって、タイミング等を間違えれば大事故。よほど綿密なチームワークで撮ったのだろう。
トラックでの攻防を含めたカーチェイス。
ドイツ兵のスタントがすごい。フォード氏のダブルが危険なスタントをこなしているのだと思うが、どこでどう入れ替わっているのか、見分けがつかない。ふぅ。
そしてそんな活躍を見せるインディ。
大学教授にしては強い強い。でも、格闘等では押されている場面も。
危険なアクションも、「よっこらしょ」とか、「え、まだあんの?」「ふぅ」みたいな表情をのぞかせ、格好いいだけではなく、かわいい。
走って、泳いで、飛び降りて、綱上って…。お疲れ様と言いたくなる。
映像も夢を見させてくれる。
映画会社のロゴそっくりの山。『未知との遭遇』のデビルスタワーも思い出してしまう。
冒険とくれば、タランチュラ・蛇・ミイラ…。濡れた岩。乾いた砂。
壁に移る影。
夕焼けに映えるシルエット。
夜空を覆う雲、走る稲妻。
そして、オチ。この辺をはっきり見せない映画もあるが、冒険物語らしいオチで絞めてくれる。ラストも、次回を予感させて…。
最後まで手を抜かずにしつらえる。
インディと一緒に走ってきた私の子ども心もやっと一息。
”ジェットコースター・ムービー”確かに。
突っ込みどころもいっぱい。
なんで、あんな広い講堂で秘密の話?ステンドグラスがきれいでしたが。
レイヴンウッド博士は、あのメダルを持っていたのに、自分では探しに行かなかったの?
猿君の本当の飼い主ってあれだけ?
他にも他にも。
「美術品は美術館へ」と、理屈をつけて”良い人”として描かれているインディだが、
要は盗掘。という突っ込みは置いておいて。
一夜の冒険物語。
幼い頃に夢見た世界の広さを思い出させてくれる。
世界って、こんなにわくわくしたものなんだな。
ご無沙汰しております。
共感ありがとうございます。
「運命のダイヤル」を観る前に、一度も観てなかった、
最初の3作品を観ました(食わず嫌いをしてました)
そしたら本当に面白くて、冒険活劇・・・とは
こういう作品を言うのだと思いました。
(蛇は苦手です、足元にニョロニョロとか!!)