「『やりすぎ限界映画入門』」レイダース 失われたアーク《聖櫃》 ダイナマイト・ボンバー・ギャルさんの映画レビュー(感想・評価)
『やりすぎ限界映画入門』
『レイダース 失われた聖櫃』
■「インディ・ジョーンズ」を見てわくわくしない人間はいない
「インディ・ジョーンズ」を見てわくわくしない人間はいない。これほどまでに男女を問わず愛された映画は少ない。製作されてから30年以上経つ現代でも「インディ・ジョーンズ」の名前を知らない人間はいないほどだ。その魅力は今も色褪せない。女性には「理想の男性像」として、男性には「憧れの生き方」として、ジョーンズ博士(ハリソン・フォード)は現実の日常で絶対体験できない冒険の世界に観客をトリップさせる。
■「冒険映画」の原点
サイレント映画の時代から「冒険映画」は数多く作られたが、「インディ・ジョーンズ」4部作が「冒険映画」の「原点」のように認識されるのは、現代の「CG」技術の「原点」である「SFX」技術の「原点」の映画だからだろう。『スター・ウォーズ』シリーズのジョージ・ルーカス監督。『未知との遭遇』のスティーブン・スピルバーグ監督。二人が手を組んだことは当時大きい方がパンツにつくほど映画界の衝撃事件だった。二人の創作活動が「SFX」を発展させ、現代の「CG」を生み出した。「インディ・ジョーンズ」4部作は「冒険映画」に初めて「SFX」を導入した衝撃的映画だった。現代では「当たり前」な「CG」を使用した映画作りの「原点」が『スター・ウォーズ』や『レイダース 失われた聖櫃』だった。以後「インディ・ジョーンズ」に影響を受けた「冒険映画」は現代に至るまで後を絶たない。「冒険映画」の原点のような認識の「偉大」な理由がここにある。
■第1作目『レイダース 失われた聖櫃』
「インディ・ジョーンズ」4部作の僕のベスト1は第1作目『レイダース 失われた聖櫃』。「聖書」「モーゼの十戒」という「史実」の引用から生み出された創作の面白さはシリーズベスト1。「本当のこと」にまで思えるほど「説得力」がある。「宝探し」や「冒険」が「本当のこと」に見える “本気” の創作は感情移入せずにいられない。スピルバーグとルーカスの「偉大」な映画作りの根元は、「大人が楽しめるSF映画」だった。二人はかつて子供向けの冒険活劇に恐るべき「極限のくそリアリズム」を導入した開拓者だった。今でも『レイダース 失われた聖櫃』を見ると「聖櫃」が本当に「実在」するように見える。「インディ・ジョーンズ」を見てわくわくしない人間はいない本当の恐ろしさがここにある。