ルパン三世 カリオストロの城のレビュー・感想・評価
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このドキドキ感は無くならない
4K(映像美)をすぐに認識出来る点は中々ないんだけど、この作品自体がもつ力を感じます。
なので4Kや7.1chにコンバートされ、より鮮明になったことより映画館という場で、この作品を再度観えたことが嬉しく思いました。
10代のころ映画館のルパン特集で初めて観たときのドキドキ感をまた味わえた喜びあります。
やはり名作
観なきゃ、人生最大の損!
TVシリーズ50周年記念「4K+7.1ch」版の上映という事で、最新の設備のシアターにて鑑賞。
内容についてはもうコメントしませんが、もしまだ見ていないひとがいたら、人生で最大の損です。
1979年の作品で、もう40年以上前のアニメーション映画というのに、他の新作と同様の一日5回上映というのにも驚きです。
場内は満員ではないものの、ヘタな不入り作品よりは客が入っていました。観客の年齢層がアラフィフ以上の夫婦というのも、特徴的です。みんな恐らく私のようにセリフを暗記するほど(苦笑)、観ているはずです。いやしかし、何度見ても飽きない・・どころか見るたびに感動が増すようで、改めてスクリーンで観て良かったと思えます。
古いセル画時代のモノラル音源の作品です。これをどうリストアするのかも興味がありましたが、素晴らしかったです。もちろん解像度は上げようがありませんので、フィルムの傷や絵のくすみ等を取り除くことが主だったと思いますが、なかなか美しく仕上がっており、最新のスクリーンでも見劣りしません。音声はモノラルから音を左右に振り分けてステレオ化してますが、流石にサラウンド感は弱いです。音楽や靴音がやや誇張され過ぎで耳につく感じがあり、浮いてしまっていて、期待したラストの時計台の場面は逆に音が引いてしまったようです。左右の分離はBD版よりは聞きやすくなってます。
本編の前に「ルパンは今も燃えているか?」というDVDの特典映像だった短編が上映されます。ただ、これは完全に蛇足で、CGが一切ない「カリオストロの城」がいかに素晴らしいかを再確認するための手法なのかと思ってしまうほど、薄っぺらい映像ですが50周年のお祭り企画として流しましょう。
いろいろケナしているヘソ曲がりなレビュアも多いですが、「そんなに言うなら、もっと面白いルパンを作って見せてほしい」と思います。期待して待ちましょう!
クラリスが可愛い
駿と康雄
何度見ても
邦画の至宝。
最高の声優たちが作り出す世界の最高傑作。
大好きだったTVの1stシリーズのルパンとは似ても似つかない映画。
だから全力で否定したいのに、とにかく面白い。一つ一つのエピソード・映像に釘付けになってしまう。
メインキャラのロリコン趣味と言い、善人ぶりと言い、五右衛門の「…今宵は一味違うぞ」はまだしも、銭形がラストの言葉をクラリスに言うなんて…。何かが憑依したのか?と思うほどキャラ変している。
そう、話の大まかな筋と登場人物の設定が、私にとっての生涯最高峰の作品の一つ『未来少年コナン』そのまんま。『ルパン三世』の『未来少年コナン』化。
なのに、どのルパン三世の作品より、ルパンが、次元が、五右衛門が、銭形が、不二子が、それらしく見えてしまう。
山田さんが、納谷さんが、小林さんが…。
五右衛門の声と不二子の声は、1stシリーズとは変わっているけれど、やっぱり五右衛門で、不二子で…。
この方々がセリフをあてると、もう、そこは『ルパン三世』の世界。
なんてすごいんだ。
(しかも、別作品では別の世界観を作り出す。ex.ユパ様…)
そんな声優たちの力がいかんなく発揮された映画。
でも、すごいのは声優たちだけじゃない。
『未来少年コナン』の習作かぁ、とも言いたくなるほど、骨子やいろいろなところが似ているのに、”おじさま”の哀愁等の味付けが、心をくすぐる。
宮崎監督もおっしゃっている通り「この作品には新しいものがない」。
『未来少年コナン』だけではなく、TV版とか、昔手がけた監督の作品から引っ張ってきたものもあるそうだ。未見なので語れないが、あるアニメからの影響を指摘するレビューも多い。
そうなると普通は二番煎じの域を出ないのだけれど…。
でも、この作品は、だから余計に、手なれた完成度の良さがある。
テンポ・リズム感等の演出・脚本、役者さん達の演技。効果音とBMをきわどいやり方で、画面に合わせる。この音楽じゃなければと思わせる出来。
勢いに乗って楽しみながら作った作品。それがこちらまで伝わってくる。
文句なし。最高傑作です。
大人が観るに堪える、大人のための娯楽アニメ
状況は徐々に好転しつつあるとはいえ、中々安心して映画館に行けない世情の中、久しぶりに本作をDVDで観ました。言わずと知れたアニメ映画の名作にして、今や伝説の巨匠となった宮崎駿監督の記念すべき劇場映画第一作です。
40年以上前の作品にも関わらず、冒頭いきなりスリリングなカーチェイスの導入からのテンポの良い展開に、いつの間にか映像に惹きつけられていきます。ストーリーは荒唐無稽なクライムアクションですが、枠組みはシンプルな勧善懲悪であり、実写では撮れないアクションのカットをアニメだからこそ描き出した、大人が観るに堪える、寧ろ大人のための娯楽映像アニメ映画といえます。
『鬼滅の刃』『君の名は。』といった近年の大ヒットアニメのような、緻密且つ鮮明で写実的な描写ではなく、嘗ての伝統的なTVマンガのような粗い筆致であり、リアルさがなく嘘っぽい分、変に感情移入することもなく、却って荒唐無稽な映像の世界として楽しめました。
将に痛快活劇、007ばりだが、007ほどの色気や緊迫アクションはなく、派手で豪快だが軽妙で滑稽、スパイサスペンス、アクション、スラプスティックコメディーにロマンスも鏤められた、「笑って、泣いて、(手に汗)握る」という娯楽映画の三要素に満ちた映画であり、未だに歴代アニメ映画の上位にランクされるのも大いに合点がいきます。
ところで、今、東京国立博物館 平成館では6月1日から再開した「国宝 特別展 鳥獣戯画のすべて」が開催されています。京都栂尾の古刹・高山寺所蔵の国宝・鳥獣人物戯画 全四巻全画面を展示する画期的な催しですが、この謎多き鳥獣人物戯画こそ、日本のマンガ、延いてはアニメ文化の嚆矢にして原点だと看做せます。鳥獣人物戯画に端を発し、江戸期に浮世絵によって庶民文化として百花繚乱に隆盛を極め、明治の風刺画を経て今のマンガ/アニメにつながる、1000年に亘る滔々たる大河の流れです。
本作は、見事に鳥獣人物戯画を現代に置換え、台詞をつけアニメ化したと思えます。さしずめカエルがルパン、ウサギが次元、キツネが五右衛門、サルが銭形に準えられるのではないでしょうか。
息つく暇なく繰り出されるアクションの連続、ユーモアの効いた洒脱な台詞の数々、そして、あのあまりにも有名な銭形警部がクラリスに呟くラストの台詞、「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です。」
そう本作は、愛する聖なる可憐な女のために命を投げ出す男たちの夢と情熱の物語でもあるのです。
何度観ても名作。 嫌な気持ちにならない。 子供にも観せられる。 良...
何度観ても名作。
嫌な気持ちにならない。
子供にも観せられる。
良い具合にコミカル。
かっこいい所はかっこいい。
もちろんハッピーエンド。
スカッとする内容。
宮崎駿はやっぱすごいな〜と実感。
リアリティ云々とかじゃなくこういう作品を作ってほしい。
ロマンティック・ルパン
今まで見た中では断トツにいいアニメ
特別なルパン
ルパンといったらこれ!
ある意味 最高傑作
宮崎駿の資質の一つはパクリが上手ということである。例えばこの映画で言うと話全体は王様と幸運の鳥という映画とそっくりである。またゴルゴ13の第一話を読めばそれが参考になっていることは明らかだろう。さらには城の中にどうやって入るかという アイデアはロビンフッドである。もっと言うと一つ一つのエピソードはアニメのルパン三世シリーズの中から拝借している。
にもかかわらず出来上がった作品を見るとまさに宮崎駿の映画となっている。この作品全体から醸し出されている爽やかな雰囲気。一つ一つの面白いギャグ。 主人公の強烈なキャラクターとヒロインの内に秘めた想いの変遷。城の構造を利用したアクションシーンの作り方の面白さ。 夢あり冒険ありギャグありロマンスありで心に残る作品だ。
これはジブリ作品ではないのであまり話題になることがないかもしれないが私の中では傑作である。千と千尋の神隠し、それに紅の豚と並んで三大傑作・・・いや多分これが最高傑作だ。
特筆すべきはこの作品は色が美しいということである。それは美術監督の功績であろう。ナウシカ以降は美術監督が変わってしまったので色使いが全体に汚い。宮崎駿作品で色使いが爽やかで美しいと言ったらこのカリオストロの城だけではないかと思う。いやその前に未来少年コナンがあったが・・・
またさらに特筆すべきもう一点はオープニングクレジットの美しさだ。この映画の主題曲が流れスタッフの名前が表示されていく冒頭部分がまるで一片の美しい、そこだけが独立した映像作品のようだ。こんな美しいクレジットを持った映画を私は他に知らない。
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