「遂に劇場鑑賞達成~歓喜と涙と新たな発見」ルパン三世 カリオストロの城 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
遂に劇場鑑賞達成~歓喜と涙と新たな発見
あの”カリオストロ”を遂に劇場で観ることが出来、非常に幸せでした。なんといっても本作は個人的に殿堂入りしている作品であり、これまでにテレビ、ビデオ、DVDなどで幾度となく(10回や20回ではありません)観たものの、劇場では観ていなかったのです。初演は1979年、その後ここ10年で何度か再上映されていたようですが、遂に機会を得ることが出来ず今日に至っていました。しかし今回劇場公開45周年記念上映ということで劇場でお目に掛かる光栄に浴することが出来、感無量の一言でした。
今さら本作について語るのは野暮なのかも知れませんが、100分間というちょうど良い上映時間にびっしりと内容が詰まっていて、しかも緩急自在なストーリーは何度観ても飽きません。ルパンや次元、銭形警部ほか、レギュラーキャラクターの安定した活躍ぶりに加えて、本作のヒロイン・クラリスの可憐さ、カリオストロ伯爵の無類のヒールぶりと、登場人物の全てが愛おしすぎて堪えられませんでした。
また、今回劇場で観て初めて気付きましたが、序盤でルパンと次元がカーチェイスをする直前に車のパンクの修理をする訳ですが、今までは一旦外したタイヤをはめずに走り出していたと思っていたところ、実は次元がホイールを足で蹴って嵌めてから車に乗り込んでいる一瞬のシーンを発見。やはり大画面で集中して観ると、今まで目に入っていなかったものが観えて来るものだと思いました。
最近のアニメのように、画面全体の作画が細かく仕上がっている訳ではないにも関わらず、登場人物は勿論、お札、車、船、オートジャイロ、お城、時計などなどの大道具、小道具に至るまで、命が吹き込まれたように楽し気に躍動するように描かれており、あらゆる点で完璧な作品だと改めて感じました。
さらに、当たり前と言えば当たり前なんでしょうが、音楽と場面展開が完全に一致していて、劇場で観るとなおのこと全身の感覚をもって物語世界に没入出来る素晴らしさも味わえました。
そんな訳で、”カリオストロ”に”とんでもないものを盗まれている”私ですので、本作の評価は当然★5とします。