「けだるいのに眠くはならない」リリイ・シュシュのすべて Arcoさんの映画レビュー(感想・評価)
けだるいのに眠くはならない
描かれている様々な問題が、とても現実的だった。
だからこそ精神を木片でギッと突かれるような不快さがあった。
『こんなの映画の中だけ』と思う人は、ただ気付いてないだけ、知らないだけだと思う。
自身が経験するか身近な誰かから直接SOSを出されないと、なかなか気付けるものではないのだから。
誰かが苦悩していても、それが今から死のうというレベルだとしても、気づく由が無い。
隣の部屋の人、コンビニのレジで前に並んでいる人、友達、そして身内でさえも。
この映画には、終始薄い膜が張り付いているようなけだるさがあるが、その膜こそがリアルだ。
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