リバー・ランズ・スルー・イットのレビュー・感想・評価
全74件中、21~40件目を表示
美しいものは危うく、はかない。
TOHOシネマズの企画「午前十時の映画祭」のラインナップの中に
この映画を見つけたときから上映を楽しみにしていました。
どんな映画が好きかは
人によって様々だと思いますが、
私は、
ストーリーのおもしろさより
その映画の中に「何か美しいもの」がある作品が好き。
この映画は、5本の指に入る好きな作品のひとつ。
モンタナの大自然の中での
フライフィッシングのキャスティングのシーンそのものの美しさに加えて、
ワタシ的にはブラット・ピットが最も輝いていた映画だと思っています。(ブラット・ピットが特に好きなわけでもないのですがこの映画の中の彼は特別)
映画の中で、彼は若さゆえの無謀さで事件に巻き込まれ命を落としてしまうのですが(そのシーンは描かれていません)
美しいものは危うく、そしてはかない存在なのだと、この映画を通して知ったのでした。
命ある美しいものはいつか消えゆくけれど、
川の流れはとどまること無く流れ、それもまた美しい。
時間の流れもまたしかり。
私たちは、けして留まることが無い時間という川の流れに投げ込まれた、フライのような存在に過ぎない。
それでも自分の人生を自ら輝かせて生きなくてはいけないんだろうな…
そんなことに気づかせてくれた作品でした。
これは、私の勝手な想像ですが、
この作品の監督、ロバート・レッドフォードは、
若かりし頃、自分が最も輝いていた時を
ブラット・ピットの中に見ていたのではないかと思います。
なぜって、二人はとても似ているから。
今日あらためて観て、
映画化された小説の原作者であるブラット・ピット=弟ポールの兄役、ノーマンの語りの言葉も美しいことに気づきました。
原作「マクリーンの川」ももう一度読みたいし、上映されている間にもう一度観てもいい、と思うほど素晴らしい映画です。
規律ある社会への郷愁と美男の弟について
午前十時の映画祭で観て、感想というか気付いたことを2つほど。
まず監督のロバート・レッドフォードだけどアカデミー監督賞を受賞した「普通の人々」がそうだったように家族を中心とした規律ある社会への郷愁が根底にある。
1920年代のモンタナ州の片田舎が舞台で、ノーマンとポールのマクリーン家はスコットランド系。WASPのコミューンが形成されていて一つ一つの家族が社会の核になっている。信仰と家庭内の秩序が全ての判断基準となり粛々と日常生活が営まれているそんな社会。ほかと違うのは釣り。マクリーン家だけではなく、恐らくはこの川沿いの人々の生活にはフライ・フィッシングが組み込まれ、大げさに言うと外界=自然との交信、調和の手段となっている。
そういったキチンとした規律正しい生活が、アメリカにはかってはあったよ、ということがロバート・レッドフォードがこの映画で言いたかったことの80%くらいを占めているような気がする。ほらポールのセリフにあるでしょ。「モンタナでは、教会と仕事と釣りは時間厳守だ」って。確かに規律正しく営まれている生活、社会は美しい。この映画は映像だけでなくドラマもとても美しいと思うけど、美しさの源泉はそこにある。
もちろん1920年代といえども規律を脅かす要因がなかったわけではなく、貧困であったりアルコール中毒であったり賭博であったり人種差別であったりハリウッド的性的放縦であったり、後にアメリカ人を悩ます事柄がチラホラ顔を出す。最後には弟ポールはその一つに絡め取られてしまうのだけど。
気付いたことの2つ目はその弟ポールについて。
この映画は、エデンの東と同様に、旧約聖書のカインとアベルを下敷きにしていると思う。カインとアベルについては昔から不思議に思っていた、なぜ神は弟アベルのみを愛したのか。最終的には兄は弟を殺したからしょうがないものの、そこまでは一所懸命に大地を耕し神にも尽くしてきたカインはなぜ理不尽にも神に愛されなかったのか。
この映画を観てわかった気がする。きっとアベルは美男だったのですよ。ブラッド・ピットのように。
郷愁
もう・・
川の流れのように、兄弟愛、家族愛
男兄弟は親友であり好敵手である
ブラピ❤︎ブラピ❤︎ブラピ
えー。若い頃のブラピってこんな可愛かったんだ。いや、これ、惚れてまうやろ。最近の変なおっさんのブラピしか知らなかったからおばちゃん、ぶっ飛びました。(笑)
ショタに近いハートは撃ち抜かれました。なんて善性の塊みたいな笑顔。お母さんて次男好きよね。上手なの〜。いや、もしかしたら女は基本次男好きかな?子供っぽくて甘え上手。場を読んでの立ち回り。言って欲しい言葉をくれる。長男の皆様ごめんなさい。私も長女だから気持ちわかるよ。すっごい努力してるんだよねー。
でもここで北村一輝似の長男が拗ねることなく、ちゃんと次男を認めてる。このうちの子育てがうまかった証ですね。おまけに選んだ女性もどこか破天荒。自分の好きを持ってキラキラしてる人にはやっぱりみんな惹かれちゃう。
違った面から人生を振り返れるいい映画でした。
バーボングラス傾けながら、どーぞ。。。
美しく壮大なモンタナの大自然、そこに溶け込む屈託のないブラッド・ピットの笑顔。
ロバート・レッドフォードは自分を彼に投影しながらこの映画撮影したんだろうなぁ。表情や仕草に随所で彼っぽさを感じさせる。
ロバート・レッドフォードだからこんな映画を製作できたんだろうなあ。1900年代初頭の片田舎を舞台にしたヒューマンドラマ。なかなかこんなテーマにお金払って観に来てくれないよね、お客さん。
邦題も潔よくて好きです。英語そのまま。そう、この映画は「A River Runs Through It」なんです。「愛と青春のなにやら」とか陳腐な邦題はいらんのです。
週末の夜にでも何も考えず、何も期待せず、バーボングラスなど傾けながらボーと観てみてはいかがでしょうか。贅沢な二時間が過ごせます。。。
釣りのシーンが
心に残る素敵な映画
川の流れのように〜
自然が美しい。ゆったり流れる川に、しなる釣糸。遠くの山々。その自然のままに、自らの気持ちに素直に生きようとするポール。対して、兄のノーマンは父にも母にも気を使うし、周囲の目も気にする。
野生動物のように、気高く美しいポール。少々、世間の枠からはみ出すタイプで、長生きできなさそうに感じる。映画でも最初からそんな匂わせ方してたし。ただ、なぜ賭博に惹かれるのかは、ちょっとよくわからない。自然の中にいる方が好きなんじゃないのか? あと、先住民の女の子への気持ちもどうだったんだろう。留置場で床に彼女を寝かせて、自分はベッドに座るって、なんだかひどくない? 彼女の扱いだけは不満だけど、人生を俯瞰で眺めるような、静かで文学的な作品。
BS TBSの放送を録画で。
ブラピがただただ美しい
ロバート・レッドフォード監督、93年アカデミー賞撮影賞受賞。
ずっと見たいと思いながらなぜか今まで手が出ず。
モンタナの田舎町を舞台に家族と兄弟の絆を描いた良作。
ブラピの地位を確立した作品らしいが、確かに美しい。少年のような屈託のない笑顔も持ち合わせながら、同時に美しさもある。
久々に見たタイタニックのディカプリオもそうだが、名優の若き日は格好良さだけでなく美しさも伴うのか。
兄役のクレイグ・シェイファーも、父役のトム・スケリットも最高。
【”君はフライフィッシングの愉しさを知っているか。そして、親友の突然の逝去に愕然としたことはないか!”モンタナ州・ミズーラの清流と共に成長し、清濁併せ持つ世に身を委ね明暗を分けた兄弟の物語。】
■今作の内容は巷間に流布していると思われるので、割愛する。
尚、私は今作は初鑑賞である。
そして、多分今作は、二度と観ないだろう・・。
◆感想
・モンタナ州・ミズーラでの、ノーマンとポール(ブラッド・ピッド)が幼き頃から、父に教えられたフライフィッシィングを習得していくシーン。
ー 最初は、父が一際大きな虹鱒を釣り挙げるが、その後徐々にノーマンとポールの腕が上がり、大物を釣って行くシーン。
濃緑色の森の中を流れる清流で、親子三人がフライフィッシングを楽しむシーン。
その姿は、ノーマンとポールが長じてからも、続く。-
・真面目なノーマンに対し、明るく才気煥発な弟、ポールを演じる若きブラッド・ピッドの姿が魅力的である。
ー 今でも第一線で活躍するこの人は、スーパースターであるなあ、と実感する。-
■今作の構成はシンプルである。
が、故にポールの突然の逝去が印象的であり、哀しい。
その前の、ノーマンとポールと父がフライフィッシングをするシーンが生きて来る。
川の波にのまれながらも大物を釣り上げるポールの姿。
そして、その後、突然告げられるポールの死。
これは、私の勝手な想像であるが、危うい道に踏み込んでいたポールは、フライフィッシングを行う事で、生きるバランスを取っていたのではないか・・、と言う事である。
<私事で恐縮であるが、私は、エクストリーム登山を行っていた際に、テンカラ釣りを学び、北アルプス上の廊下などで尺岩魚を釣り、食料にしていた。
だが、尺岩魚がいる場所は、危険な場所も多数あった。
これ以上は記さないが、今作を観てテンカラ釣り=フライフィッシングの愉しさと、哀しき想いが蘇ってしまった作品である。
それにしても、今作で映し出されるモンタナ州・ミズーラの豊饒な自然と川の姿は、実に美しい。
だが、今作のポールではないが、若き日には格好が良いと思っていた破滅的人生を歩んではイケナイと今更乍らに、思った作品でもある。>
人の心を見事に描く作品
彼の人生は、フライフィッシングがともにあった
初めての鑑賞
牧師の父に育てられた兄弟の物語(メインは兄)
子供の頃、父からフライフィッシングを教わるところから始まる
とんでもない悪戯をしたり、兄弟げんかを経験したり成長していく兄弟
兄は大学進学で故郷を離れ、卒業後に帰ってくる。
そこにはやはり父と弟、そして故郷の河とフライフィッシングがある
故郷で生涯の伴侶と出会い、その後就職のためにまた故郷を離れることになるが、今度は愛する人と一緒だ
しかしその直前、弟が他界する。
数年後、両親を亡くし、妻に先立たれた主人公は、また河の流れの中でフライフィッシングを楽しんでいる
純文学を映像化した作品だと思うとイメージしやすと思う
何かを成し遂げたとか、手に入れたとか、そういう映画ではないので人によっては退屈かもしれない。実際にそのようなレビューもあった。
自分も若いころに見たら、そのような感想を持ったかもしれない。
自分の家族を持ち、人生も終わりに近づいている今見たから、良い映画と思えるのかもしれない
2022.3.23一部修正
BGVみたような
全74件中、21~40件目を表示