「ヒール役が弱すぎる」リオ・ブラボー マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒール役が弱すぎる
クリックして本文を読む
リッキー・ネルソンとディーン・マーティンの『ライフルと愛馬』それに『皆殺しの歌』だねぇ。皆殺しの歌はこのサウンド・トラックよりも、ニニ・ロッソのレコードが我が家にはあった。例によって親父の趣味だったが、僕もそれに『右へならい』で直に好きになった。合わせて、親父のすぐ下の弟がトランペットでよく聞かせてくれた。だから、生まれてこの方ずっと聞かされていたわけであるが、映画はなんとなんと、今回が二度目。相変わらずのジョン・ウェインの真っ白な野菜の演技に合う映画だ。
さて、我が母の『皆殺しの歌』に対する反応は『野蛮な葬式見たいな音楽ね』と言って『私のいない所で聞いてね』だった。
よくよく考えると、エンニオ・モリコーネの曲調を受け入れる前の事であり『さすらいの口笛』を聞き『夕陽のガンマン』のラストシーンの音楽を聞いた時、この曲調はこっちの方が合っていると思った。つまり、エンニオ・モリコーネが凄いだけで無く、セルジオ・レオーネの演出が凄いのだろう。
映画はあと20分だが、これは向こうからやってくる『OKコラール』だねぇ。脚本が一部ぶっ壊れている。まぁ、『ハイ・ヌーン』もそうだったがゴリゴリの定石だ。そして、結果が分かる勧善懲悪は許せても、ヒール役が弱すぎる。結局、ほぼ『皆殺し』にする理由だが、朝鮮戦争からベトナム戦争への過渡期。ニニ・ロッソのこのトランペットだけが空回りしているように感じるが。
コメントする