「ある意味時代の空気を切り取っていた」Love Letter chao2sukeさんの映画レビュー(感想・評価)
ある意味時代の空気を切り取っていた
ふとしたきっかけで再鑑賞。
ヒロインの渡辺博子は初鑑賞当時はあんな可愛らしい、守ってあげたくなるようなキャラクターはいないと思っていたのに、今見直すと印象が180°変わっていた。
好きな男性と死別し、忘れられないままその友達のアプローチを受け入れてしまう所、その彼が自分に好意があることを知りながら死別した恋人への愛を事あるごとに口にする無配慮な所、自分の勘違いで全く関係ない他人を巻き込みながらも、その人が同級生だと知るとエピソードを教えろとか、風邪引いてると知りながらグラウンドに行って写真を撮ってこいとか、自分で散々聞いておいてやり取りした手紙を丸ごと送り返してしまう所など、我儘で計算高く、自分の感情の為に他人を振り回す性格が随所に見られます。
しかし一歩引いて考察すると、当時はこういった「何を考えているのかわからない」「落とせそうで落とせない女性」「落とせないのにキスは受け入れる、押しに弱い女性」が世の男性にとてつもなく人気の時代だった事を思い出します。ちょうど裕木奈江などが全盛期の頃です。
そう言った意味では時代の空気を切り取った、興味深い作品だな、と改めて感じました。
コメントする