「コンチータ」欲望のあいまいな対象 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
コンチータ
1977年 スペイン/フランス映画
スペインでは1973年ブランコ首相が〈バスク祖国と自由〉に暗殺され
1975年フランコ死去で民主化移行期に入る
バスク地方はスペイン―フランスにまたがっており
コンチータはスペイン内戦で発生したバスク難民の娘なのか?と思った
(彼女を二国の女優に演じさせるのは そういうことかと… )
モリーナは土着性、激情が感じられ
ブーケは美しいが 冷気を感じさせる冷たさで、あの目はテロリストの目かも(笑)
若い娘のスペインの地位も金もあるブルジョア紳士に対する憎しみの様なもの… も感じられる
(何故 裸でフラメンコを踊らなければならない境遇なのか… )
政権が変わっても(紳士と彼女の関係のように)スペインと〈バスク祖国と自由〉の血みどろの闘いが続くことを映画は暗示して終わる
フランコ政権下で指名手配されているのに
いそいそとスペインに戻り、映画を撮ってしまったブニュエル(←批判された)は
アメとムチに惑わされる紳士に自らを重ねたのだと思う
コンチータは〈バスク祖国と自由〉の独立願望と激しさを表しているみたいだが
フランコのようでもある
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