用心棒のレビュー・感想・評価
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「デップー2」にも負けない無茶なセリフ!
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
以前の投稿の削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」として
以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
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時代劇経験の浅い人には
まず、こちらから観る事をオススメします。
いや〜〜愉快痛快!笑える無茶なセリフがてんこ盛り!!
話は単純で狭い宿場町で二つの派閥が権力争いをするもんだから
普通の庶民や農民は大迷惑!!
通りすがりの素浪人(三船敏郎)が両者をうまく丸め込んで
お互いに殺し合いをさせて何とか一掃しようとする話。
「午前10時の映画祭」を紹介する「事務局オフタイム」と言う
YouTube配信コンテンツで、
「黒澤明が本気で興行的に当たることを狙って作った映画」と
紹介されていましたが本当に間違いなく面白い!!
マジな話、月に8本ほど映画館で映画を観て
先日も「デットプール2」で
大笑いした中途半端な映画好きとしては
いや〜〜面白い!!
「デップー2」にも負けない無茶なセリフ!
「一人殺そうが100人殺そうが
縛り首になるのは一回だけなんだよ!」(笑)
古い映画なんかイマイチでしょ〜〜
なんて言う先入観は邪魔でしかないわ!
でね、私が三船敏郎さんを初めてきちんと観たのは
「天国と地獄」の事業で大成功した少々傲慢な金持ちワンマン社長役。
その次に見たのは「七人の侍」の腕っ節は強いけど、
信念も理想もまだ無い粗野で野良犬の様な男。
この「用心棒」の三船さんは只者では無い強いオーラと、
適度に狡猾な一面もあり、それでも憎みきれない愛嬌と
本当は結構良い奴じゃん!みたいな一面もあって
ビジュアル的にも
体格もでかいし、鼻筋も通って目力も半端ない!
世界が魅了されたMIFUNE!の魅力が満載。
海外で受けるのはわかるわ〜〜マジ、カッケー!!
是非是非オススメです!!
@もう一度観るなら?「また劇場で観たい!」
計算しつくされた、緩急のバランスの見事さ。
先が読めそうで、読めない展開。
からっ風吹きすさぶ、がらんどうな宿場町。
宿場町の住人の、鬱々とした怒り、あきらめ。ー名主のたたく太鼓の音にすら、単なる仏への祈りというより、力任せになぶりたたいているようで、心の底にしのぶ怒りを響かせる。
欲の皮の、限界まで突っ張ったやくざな者たち。
悪戯小僧のような茶目っ気のある浪人。ー正義感と優しさがベースにあるのだが、正義感丸出しでというより、ちょっとかき回してやろうかい、みたいな、騒動を楽しんでいるような、余計なお世話的な動機がちらほら透けて見える。
すべてが、浪人の手の平の中で回りそうに見えたとき、
そのからくりを見抜く目をした男が帰ってくる。
そして…。
冒頭、雄大な山脈を遠景に、一人の男が歩いていく。
それだけで、引き込まれる。その音楽のリズムと、男の背中の揺れと、カメラワークの妙。
そして、棒を投げて、行き先を決める様。男の人生をー勝手気ままな放浪の人生をそれだけで説明してしまう。
この時、浪人がさりげなくジャンプして投げている様がかわいい(笑)。重厚な雰囲気を漂わせる人物だが、重々しいだけじゃないんだ、この人(クスっ)。
お太鼓持ちの十手持ち、現状にいら立っている飯屋の親父と、余裕をかます浪人、いきがるやくざ者。ラスボスは女郎屋の女将。
そのアンサンブルが、うまくハーモニーを醸し出し、混声合唱団の調べを聴いているかの如くはまる。
茶目っ気のある浪人以外、コメディを演じているのではないのに、(笑)をさそう。
要所・要所に挟まれる、スピーディな殺陣。
親子の人情シーン。
泥臭く這いずり回るシーン。
浪人の作戦も、うまくいきそうに見えて停滞し、またうまくいきそうに見えて破城する。ハラハラドキドキ…。
飯屋の親父と浪人の掛け合いが、浪人の無鉄砲を諫め、かばう父のようにも見え、この騒動が横糸なら、縦糸のように一本筋を通す。
そして、さりげないシーンで表現する緊迫感…。鬼気迫る女郎たちの演奏・踊り。ラストの鬼気極まった名主。
そんなシーンを、ズームで撮ったり、俯瞰したり、遠近法を駆使したり。飽きさせない。
決着がついた後も見事。
ほっとしたのもつかの間、名主で緊張を高め、そして、あの台詞。この爽快感。
役者は、これもまた、『ウォーリーを探せ』状態。あんなところにあの人が…。
三船氏はもちろん、東野氏がしっかり、三船氏の相方を務め、この宿場町の騒動を観客が共感しやすくしてくださる。怒った顔、呆れた顔、心配する顔。意外にも(失礼!)亥之吉を丸め込むように度胸がいい。
山田さんは、「着物に線が出るから」と、着物をお召しになるときには、現代的なランジェリーではなく、昔からの和のランジェリーだけをつけたと聞くぐらい、”粋”を体現なさった方。なのに、この映画での業突く張りの婆ぶり。恐れ入りました。
仲代氏は、切れ味鋭い男を演じてくださったが、『椿三十郎』と比べると、甘ちゃん。『渡り鳥シリーズ』とかに、出てきそうだ。だが、『天国と地獄』等でも違う印象の役を演じていらっしゃって、そのバリエーションの広さにしびれてしまう。
そして、藤原氏。最後の最後に本領発揮。
『椿三十郎』と姉妹版だとか。
こちらが先なのだが、私は後に見てしまった。
だからか、よりコメディタッチな『椿三十郎』より、こちらの方が話の展開が緊迫感にあふれていた。
『椿三十郎』の方は、加山氏演じる若侍達が、ぴょこぴょこついてきているから、多少説教臭くなっているが、その対比がおもしろかった。こちらは、東野氏演じる親父がハラハラしていたように、見方によっては騒動を大きくしている悪戯小僧。より、野性味があふれていた。
仲代氏も、己の才能にうぬぼれて居るところは一緒だけれど、こちらが甘ちゃんに比べて、『椿三十郎』では、ある意味中間管理職。上司を手玉に取ろうとして、連座して失墜というあはれがにじみ出ていた。
両陣営を手玉に取って、問題を解決しちゃうスタイルは同じだけれど、素材をいろいろな味付けで料理できる。やはり、黒澤監督はすごい。
ボコボコの三船敏郎…
が見れるとは思わなかった。二組のやくざの対立により、廃れる一方の宿場町。二組の潰し合いを目論み、用心棒としてどちらの組を味方するわけではなく、行ったり来たり。若干、これが長い気がして、焦れに焦れたが、ラストの砂嵐の決闘シーンは格好良く、スカッとした。あばよ!
うひょー!
一言「かっこいい〜!」
◎よかった点◎
・木枯らしに舞う落ち葉、舞台はほぼ宿場町のみ、そして時代劇らしからぬかっこいい音楽(マリンバ等)。
目が釘付けでした。後から西部劇の要素が入っていると知って納得。
・町の2大勢力の両方を焚き付けておいて、自分は高みの見物。
そのニヒルな感じも、ある意味愉快。
・後半からがもう見どころ満載、三船御大降臨。
その策士ぶりや、弱いものを助ける男気。
「この宿場は鍋みたいにグツグツしてきたぜ」なんて、かっこいいセリフも随所に。
・最初に名を聞かれ、桑畑を目にして「桑畑三十郎、もうすぐ四十郎だけどな」。
あれ?これ椿三十郎??。こっちが先だったのかー。
△いまいちな点△
・なし、と言いたいけど。白黒時代劇初心者には、どっちがどっちか。
わからないまま話が進むのが・・・。でも大丈夫でした。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「もっと面白いことになるぜ、見てな」。
いつか絶対、七人の侍に挑戦したい!200分超えだけど。
虚無主義に染められた時代活劇
61年公開。
ヤクザたちの抗争と暴力で荒廃した宿場町。
名もなき浪人が対立するヤクザの間でうまく立ち回り、悪党どもを一網打尽にしていく痛快時代劇。
完璧主義の黒澤監督らしく、舞台セットや衣装、セリフ回し、殺陣の徹底したリアリティがみてとれる。
あらためてリメイクの「荒野の用心棒」と比較してみると面白い。
ストーリーや展開はほぼ本作を踏襲しているが、やはり「元祖」の本作には遠く及ばず。
「荒野ー」では町が無機的でハリボテのような印象を受けたが、本作は恐怖のなかで息を潜める住民の存在や、娼婦たちや下っ端のヤクザの生活感まで感じられる。
EastwoodのJoeもカッコいいが、三船敏郎の三十郎はイタズラ好きの子供のようで愛嬌のあるキャラクターだ。
悪が蔓延するニヒリズムの世界観も、本作のほうがより強く感じられ、遠い昔の話のように思えないのが不思議だ。
脚本と演出と役者のキャラクター造りの三位一体が、面白さに凝縮している黒澤映画
江戸末期の浪人や無宿人が蔓延り治安が悪化した頃のある宿場町を舞台にした、アクション時代劇。黒澤演出の本領が発揮された娯楽映画の傑作。八州廻り(関東取締出役)の時代考証を取り入れた序盤の話の組み立てが秀逸。清兵衛一家と丑寅一家の腰が引けた無様な対決場面の絵的な面白さと、それを火の見櫓から高みの見物をする主人公桑野三十郎のキャラクターの豪快さ。三船敏郎の文句なしの名演が、姿・形・表情全てで三十郎の個性を創作している。後半は、丑寅の弟卯之助の登場でクライマックスの期待感を増幅させ、農夫小平の妻おぬいのエピソードが三十郎の人情味と正義感を引き出す。回転拳銃を携えた西洋風なスカーフを身に纏う粋なスタイルの卯之助の斬新さが、三十郎との対比で嵌る。頭が足りなく煽てに弱い亥之吉を演じる加東大介の役作りも素晴らしい。山田五十鈴と東野英治郎は安定の演技力で三船敏郎を支える。加東と山田が引き抜きで鉢合わせになる居酒屋の場面は、名シーンのひとつ。
宮川一夫と斎藤孝雄のマルチカム方式の撮影は、無駄のないカット繋ぎで弛緩することなく全編の流れを生み、佐藤勝の西洋風音楽のリズムが映像のアクセントを補強する。風、火、水(酒)の黒澤タッチは要所要所のポイントを押さえ、抑制の効いた黒澤演出が映画全体の迫力と力強さに行き届いている。唯一の不満は小平の手紙の扱い方くらいか。
冒頭の家出の若者が最後三十郎に説教される細かい配慮も含め、練られた脚本と黒澤演出、それに役者のキャラクター表現が三位一体にある模範的な映画の、面白さが傑出している。
懐手にしてあごをさすってみよう
いまは黒澤明をオンデマンド各所で見ることができる。
80代の父が、パラサイトを見た。
感心したと話したが、好きな映画ではなかったようだ。
前後して、黒澤明を見て、昔の映画っていいな、やっぱり三船敏郎はいい役者だな、かっこいいんだよ、と話した。
「昔の映画っていいな」とか「いま、ああいう役者っていないよな」──という感慨は「さいきんの若者ってやつは・・・」みたいな、大人の感傷、老年の偏執だと思う。
ただし、黒澤明や三船敏郎を、今ああいうひと居ない──と懐古する父の感慨には、同意できる。
いつの頃と、特定できないが、いつの頃からか、映画が、倫理を度外視するようになった。懲悪にこだわらず、不合理や破滅でおしまいになることも、普通になった。
それを言うなら、黒澤明にも破滅で終わる映画はあるのだが、いまの映画の自由度、カオスとは異なる、不文律があり、破滅に詰んだとしても、よい品行があった。
だから、旧世代が、または自分が、昔の映画を懐古する気分は、とくにズレているとは思えない。
概して、ひとは年をとると、昔を懐かしむ。そこに、今の時代を残念がる──ことが加わってしまうと、おかしなことになるが、今の時代も鷹揚に受け容れて、昔を懐かしむなら、とくに罪はない。
そんなとき、やはり黒澤明や三船敏郎は亀鑑なのである。
たしかに今、得られないものが、そこにあった。
ただし、相手が黒澤明では、たんに今の映画vs昔の映画という包括した比較論として成立しない。
ティーンが見比べてさえ懐古趣味にならない。
黒澤明を昔の映画と定義してしまうなら、今の映画は、映画の世界チャンピオンと比べる不利をまぬがれない、からだ。
三船敏郎が、袖を通さず、衿から手をだして、あごのあたりをさすっているスチールがある。思案げに目を遣っている。椿三十郎でも用心棒でも素浪人のかれはめったに袖から手を出さず、無精と身持ちの悪さをあらわすように、だいたい懐手にしていた。およそ誰もが見たことがある、有名な用心棒のひとコマである。画を引くと隣に同心の半助がいる。お太鼓持ちで、清兵衛につくか、丑寅につくか、口利きすると売り込んでいる。もし見ていなければ、見たくなる絵である。見ていたなら、がちゃがちゃするお囃子とその場面を想像させる、心躍る絵である。
わたしは椿三十郎やこの用心棒で「理屈抜きに面白い」という日本語の意味を心から理解したと思っている。
今日は台風なので大人しく映画鑑賞。黒澤明、三船敏郎の名作をもう一本...
正に映画のマスターピース
見事の一言
映画の金字塔
三船敏郎の強烈な存在感と三十郎の造形
キラ星の様な昭和の名優達の素晴らしい演技
どんな端役にも血肉の通った演技と存在感が溢れています
望遠を駆使した巧みな撮影
構図の見事さ、照明の計算が生み出す渋い陰影
完璧な演出の冴え
何もかも感嘆するばかりです
物語の構造も見事です
極めてシンプルなものを最初に提示しておき物語の展望を見通しよく見せるのですが、やがて八州廻りによる停戦、卯之助の登場、人質交換、おぬいの話と次第に複雑さを深めていき、三十郎が囚われた時には観客は最早物語がどう転がって行くのか見通せなくなってしまっており、最早観客自身こそが物語の中に囚われてしまっているのです
これからどうなるのかと固唾を飲んでクライマックスに突入していくその緊迫感と躍動感!
そして冷戦が激化し代理戦争の様相を見せつつあった当時の世界情勢をこの物語のなかに暗喩として閉じ込めて見せる時代性の反映も見逃せません
結局物語は名主の多左衛門と造酒屋徳右衛門の直接対決で幕を閉じるのです
そうして武力対決は終わり、普通の人々の日常の日々が始まり三十郎もまた無用となり去っていくのです
正に映画のマスターピース
世界中の映画監督が本作を手本にしたというのも頷けます
当時の世界最先端にして最高峰の映像作品だったことは間違いありません
半世紀経ってもこれを超える作品はそうないのですから
新冷戦が始まった現代にまた一層の輝きを放っています
豪胆知略と流麗剣戟!
DVDで3回目の鑑賞。
やくざの勢力争いで荒れ果ててしまった小さな宿場町に現れた、浪人・桑畑三十郎(三船敏郎)。すっかり活気を無くし、儲かるのは桶屋だけ(死人がたくさん出て、その分棺桶が売れるから)と云う悲惨な有り様を見かねて一肌脱ぐことに。
双方を手玉に取って共倒れさせようと画策。知略を巡らし、凄まじい剣戟で相手をバッタバッタと斬り倒していく三十郎の活躍を描いた痛快エンターテインメント時代劇。
空っ風が枯れ葉を巻き上げ、賑やかさが絶えた宿場町を吹き抜けていく…。西部劇みたいな世界観だなと思いました。ピストルを持ったヤツ(卯之助―演・仲代達矢)までいるし…
ストーリーもさることながら、三十郎をはじめとした登場人物のキャラクター造形が素晴らしい限り。とてもイキイキしていて、それぞれが魅力を放っているように思えました。
三十郎の豪胆な知略と流麗な剣戟に惹きつけられる。事態は彼の思惑通りに推移し、1秒にひとりの割合で相手を斬り倒す姿に惚れ惚れ。素早く繰り出される太刀捌きが圧巻でした。
[余談]
クリント・イーストウッド主演「荒野の用心棒」は本作を無断でパクって製作されたと云うことを知って驚愕しました。言われてみればそっくり、と云うかそのまんま(笑)。
他にも「ラストマン・スタンディング」(これは正式なリメイク)だったり、本作を彷彿とさせる作品は数知れず…。やっぱり「世界のクロサワ」はすごいなぁ…
※修正(2023/06/02)
新しい感覚の時代劇
男・三十郎
孤独を恐れず、集団に媚びず、義心厚く、慈悲深く、ユーモアを忘れず、シャイでかわいく、智略があり、思慮深く、判断が早く、行動力があり、諦めが悪く、強く、死を恐れない男になりたいものだ。しばらくは三十郎が自分に乗り移る。
久しぶりに見たが、幾度と「あっ、このカットだ」と記憶がよみがえり、身震いがする。ラストの斬り合いでの、距離を縮める歩調に合わせたシンバルの単調なリズムからの、三十郎がにやり、肩を少し動かしてからの一気の音の変化、三船の速い動きに釘付けになる。
仲代達矢のキレた演技、東野英治郎の名調子、山田五十鈴の存在感、加東大介のコミカルさ、最後の藤原釜足の狂気と印象に残る演技、演出が目白押し。あらゆる面で圧巻の作品。
タイトルなし(ネタバレ)
太く短く
棒切れに任せた
はい吐露吐露
雨戸での切り替え
酒を飲みながらよく考える
震える手、おちょこに注ぐ
高台から右左前遠ざか
仲直りがさらに大きな喧嘩を生む
雨戸閉まる 口元
弱点 ひ弱な身分で哀れに振る舞う者とその徳が仇となり禍を呼ぶ
ここは地獄の一丁目だあ
吹く木の葉と包丁
吊るされる権爺の唸り声を手前にフォーカス
百姓の伏線というか
卵は白くて黄色い 銃と冥土と企と信頼と先明
銃声と団扇太鼓(91秒約1分半) お題目と復讐
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