劇場公開日 1961年4月25日

「理屈など不要だし、一大娯楽活劇の傑作だ。」用心棒 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0理屈など不要だし、一大娯楽活劇の傑作だ。

2024年10月15日
PCから投稿

ある浪人が、対立するヤクザ同士を戦わせて全滅させる時代劇。豪快な剣だけでなく、知恵を使って2組のヤクザを唆し、宿場町を荒廃させたヤクザを壊滅させる物語が、実に痛快だ。

居酒屋の権爺に助けられたり、騙されて妾となった農家の娘を救ったことで、主人公も全てが上手くいくわけではない。賢明とは言えない登場人物ばかりだが、みんなコミカルで、親しみがある。

主人公の大胆さ、機知に富んだ策略、大胆な剣劇が、大いに沸かせてくれる。権力を求めて奮闘することが、かえって自滅をもたらすヤクザたちも皮肉めいている。シニカルさとウィットを併せ持った、一級品の時代劇だ。

黒澤作品の中でも、特に娯楽色が強く、とても見やすくて、万人に勧められる。カラッとした明るさがあるし、ドラマティックでタフな映画でもある。理屈など全く不要で楽しめる、本当に素晴らしい一大娯楽活劇だ。

瀬戸口仁
カルヴェロさんのコメント
2024年11月17日

お返事しないわけにはいかないので
たくさんのいいねありがとうございます
この作品のユーモアは時代の先を行っていたように思います
似たようなユーモアを感じたのは『明日に向かって撃て』
強盗団の権力争いのケンカのシーンは笑いました
これからも映画を楽しみましょう
レビューとは言えないものばかりですいません。

カルヴェロ