「黒澤明監督と三船敏郎さんの運命の出会いとも言うべき日本映画史にとって重要な作品」醉いどれ天使 Jettさんの映画レビュー(感想・評価)
黒澤明監督と三船敏郎さんの運命の出会いとも言うべき日本映画史にとって重要な作品
ろくでなしのヤクザが結核にかかり、それを知った酔いどれの町医者が常に気にかけ治そうとするが言うことをきかず、ヤクザはヤクザで改心し足を洗おうとするけど難しく、結局ネックになっている親分を殺そうとするが・・・という見応えたっぷりで骨太の人間ドラマ
タイトルになっている“酔いどれ天使”は志村喬さん演じる主人公の町医者のことだけど、ヤクザを演じるデビューしたての新人だった三船敏郎さんがメチャクチャいい男でその強烈な存在感によって完全に主役を食ってしまい一躍大スターとなり、その後 黒澤監督と三船さんは合計16本の作品を世に送り出すことになります
中でも黒澤監督、三船さん、志村さんのゴールデントリオは世界一有名な日本映画の1本『七人の侍』(1954)を作り世界の映画史に名を刻みました
戦後の闇市や当時の風俗が映されとても興味深く、特に酒場で出てくるバンドの女性ボーカルが「♪ウワオワオワオワ・・・・♪」と歌うシーンの熱量に圧倒され、後で調べると2023年のNHK「連続テレビ小説」で主人公のモデルとなり 戦後の「ブギの女王」と呼ばれた笠置シヅさんということがわかり、道理で途轍もなくパワフルで只者でない雰囲気だったんだと納得でした
正直、もうちょっとセリフが聞きとり易いといいなと思いましたが80年近く前に作られた作品ですし仕方がありませんね(苦笑)
コメントする