「何に怒るのか」許されざる者(1992) しんかいぎょさんの映画レビュー(感想・評価)
何に怒るのか
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西部劇は、私はマカロニウェスタンが好きでそういうものを一昔前に結構見ていた。一方で荒野の七人とかそういうのはあまり記憶にない。
そういう自身の経歴というかフィルターで見ていて新鮮だったことがある。これまで悪党が暴れるというのは普通に見受けらたが、同時に無秩序な世界というのが、なんとなくではあるが前提に合ったような印象を持っている。
対してこの作品では、保安官という存在を通して秩序というものが強く印象付けられている。しかしその保安官こそ悪党だと、主人公は言い放つ。
通常であれば正義の味方として描かれるはずの保安官が殺されることにどんな意味があるのかと見ていて感じたのは、正義とか悪党とかという立場よりも、平気で人の尊厳を踏みにじるような真似をするやつに対する怒りがこの映画を下支えしているということだ。
だれにだってプライドがある。娼婦にだって、主人公の相棒にだって、どんな人間にもある。そこをないがしろにしたからこそ、ライフルが火を噴いたとみていて感じる。
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