劇場公開日 1993年4月17日

「腰抜けました、凄すぎ」許されざる者(1992) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0腰抜けました、凄すぎ

2018年8月27日
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最高にして、最後の西部劇
最後の保安官との対決はこれ以上の西部劇はない
雷鳴轟く中、雨が叩く路面をカメラがなめて遠目にサロンを写すシーンから続く展開は神レベル

イーストウッド、ジーンハックマン、モーガンフリードマン役達者ばかり

相棒の死を知り10年来飲んでない酒をあおってからの、歯止めが吹き飛び冷酷な男に戻ったことを象徴してからの演技の凄み
特にカウンターでまた飲んだあとのシーン
一瞬のためらいをみせるも、結局、許す事をせず止めをさすシーン
彼こそが許すことができなかった男だ

静まりかえり拍車の音だけを響かせサロンを去るシーンに続き、全てが終わり呆然と見送る娼婦たちの表情!
それは本作を観た私達観客の鏡だ

もうまともな西部劇を撮れるのは自分しかいない
その自負をもって、主人公の設定も、時代設定もまた西部劇の最後の時代を描いてみせる
つまり自らハリウッドの西部劇を締めくくってみせたのが本作だ

あき240
えーじさんのコメント
2025年1月22日

私は、この作品のような素晴らしい西部劇や日本の時代劇をもっともっと観たいです‼︎もっともっと観続けたいです‼︎幸い時代劇は真田氏が快挙をやってくれました‼︎だから西部劇もハリウッドでやって欲しいです‼︎だって僕達は映画を心底愛しているから…

えーじ
オーウェンさんのコメント
2025年1月12日

この映画は、クリント・イーストウッド西部劇の到達点とも言える作品で、銃を捨てて、子供たちと静かに暮らしていた初老のガンマンのマーニーが、賞金稼ぎのために、再び銃を取り、殺された相棒の復讐のために、暴力で町を支配する保安官と対決するまでの姿を描いた西部劇ですね。
古いヒーローが、新しいヒーローに次々と取って代わられていく。
リチャード・ハリス扮する、おとぎ話のように古風でロマンティックな、イングリッシュ・ボブと呼ばれる伝説的なガンマンが、ジーン・ハックマン扮する法治的な市民社会の守護神的な、リトル・ビルと呼ばれる厳格な保安官に、ヒーローの座を奪われる。
一瞬、市民の味方のように思われた、リトル・ビルもやがて、狂信的な一面をむき出しにしていくようになる。
とにかく、二転三転する善悪の構図にワクワクしますね。
伝説のガンマンたちの伝記を書いている小説家が、道化役で登場するように、この映画は西部を美化した、かつての西部劇への愛情たっぷりの、そして苦い回答でもあるんですね。

オーウェン