劇場公開日 1990年5月

「夢まで常人離れ」夢 えらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0夢まで常人離れ

2014年12月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

怖い

「えーなんだよ夢を映画化って」と低いテンションで観たら、そこは流石の黒澤明。夢まで常人離れしている。単純に見ていて面白い上に、彼のメッセージがビンビン伝わってくる。円谷プロによる特撮も素晴らしい。特に好きなのは、放射能・水爆の恐怖を変化球で描いた『生きものの記録』と違い、ド直球でそれを訴える「赤富士」と「鬼哭」。前者のラストシーンは本当にぞっとするし、後者の巨大化したタンポポの下で鬼と人間が語らうという画のインパクトは圧倒的。少しキャラクターに監督の主張を言わせすぎな気もするけど、そこは画面の強さとオムニバス形式ということで目を瞑れる範囲。「鴉」と「トンネル」も素晴らしい。

えら