「汚れた空気や水は、人間の心まで汚してしまう」夢 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
汚れた空気や水は、人間の心まで汚してしまう
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映画「夢」(黒澤明監督)から。
「日照り雨」「桃畑」「雪あらし」「トンネル」「鴉」
「赤富士」「鬼哭」「水車のある村」・・のタイトルがついている
オムニバス形式の黒澤監督の作品である。
どの作品も、監督からの熱いメッセージが伝わってくるが、
特に最後の「水車のある村」には、目から鱗状態だった。
主役の寺尾聰さんと、水車村の老人役、笠智衆さんとの
会話だけなのだが、妙に心に響くものがあった。
特に、早寝早起きが身についてしまった、最近の私にとって、
「電気を引いているんですか?」「あんなものはいらん」
「暗いのが夜だ。夜まで昼のように明るくては困る」の会話は
頷くことばかりであった。
「人間を不幸せにするものを発明して、自分たちを滅ぼしている」
これまた、なるほど・・と頷いた。
そして、今回選んだ、気になる一言。
「汚れた空気や水は、人間の心まで汚してしまう」は、
現代の凶悪事件からいじめまでを、予感するようなフレーズ。
1990年に公開されたこの「夢」という作品から、
黒澤監督の先見性を感じずにはいられなかった。
どの作品も、メッセージ性が明確であるから、心に残る。
さすが・・黒澤監督、としか言いようがない。
PS.
どの作品も「こんな夢を見た」というタイトルから始まるが、
回を追うごとに、その文字が大きくなっている。
その意味がわからない・・う~ん、気になる。
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