遊星からの物体Xのレビュー・感想・評価
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ハンパなく面白い
面白いの一言に尽きる。
結構なグロがあるからニガテな人はいるかもしれないけれど、誰が生物に乗っ取られているか分からない疑心暗鬼の空間といい、血液による生物探しのシーンなといい、息を呑むような緊張感でハラハラドキドキです。
生物と判明するシーンも、毎回うぉっ!と驚かしてくれます。
最後に残った二人の内、どちらかが生物だったのか、はたまた二人とも人間のままだったのかは不明のままですが、謎のまま終わらせるのも余韻があっていいですね。(私は二人とも人間だと思いたい派です)
全く飽きさせることなく、あっという間の2時間でした。
オリジナルより良い
オリジナルの「遊星よりの物体X」も当時(1951年)としてはよくできていた作品でしたが、リメイクのこちらは特撮技術も格段に進歩してきているせいか、ストーリーを知っていてもすごく楽しめる作品となっていました。
「エイリアン」の数年後に製作された映画です。「エイリアン」の舞台が宇宙空間、こちらが南極という違いはありますが、人間の体内に寄生する点では似ていますので、比較してみるのも面白いかもしれません。芸術的とさえ思える映像美が素晴らしい「エイリアン」に比べると、いかにもB級映画っぽいテイストです(悪い意味ではない)。ただ、ベースのような低音のリズムが印象に残る音楽はあのエンニオ・モリコーネだった。
デビルマン前日譚
本作が素晴らしいのは当時の可能な限りのSFX技術を駆使して人間が持つ想像力を具現化しようとしたことにある。一見単なるグロテスクなホラー映画と片付けられそうであるが、そのシュールリアリスティックな映像は圧巻であった。まるでサルバドール・ダリの絵画を動く絵で見せようとしてるかのような挑戦的な作品とも言える。
間違いなくSFホラー作品としてもアート作品としても歴史に残る作品である。当時のSFホラー映画好き少年の私の心をわしづかみにしたのは言うまでもないが、最近本作を見返していて気付いたんだけど、永井豪のデビルマンて、この映画の原作「影が行く」を参考にしたんじゃないかな。
デビルマンは氷河期で氷に閉じ込められていたデーモン族が甦って人間と合体して地球を支配しようとする物語。全く同じじゃないか。ということは本作はデビルマンの前日譚的な作品ともいえるのかも。
どうせならデビルマン本編も是非ともハリウッド資本で実写化してほしいなあ。日本版のものは本当にひどかったからね。韓国映画でもいいし、平井和正の「死霊狩り」とともに映画化してほしい。まだまだ映画化されてない傑作があふれてるんだけどねえ。
物体Xと呼ばれる異星人は宇宙船に乗ってやってきたことからも、元は知的生命体だったと思われる。それが地球の環境になじめずあるいはその環境に適応するために自身を細胞レベルで変異させて、あのようになったのだろう。異なる環境で生き残るためにただ生存本能のままに地球上の他の生物と同化してでなければこの地球では生き残れなかった。
生存本能、それは生物として当たり前に持つもの、それが地球上のもう一つの知的生命体である人類にとっては脅威となる。同じ知的生命体同士、己の生存をかけた戦い。これは適者生存であり自然淘汰の戦い。
そして本作は生き残った二人のどちらかがXに乗っ取られているのかわからないまま終わる。そして本作の続編がデビルマンへと続く。
閉ざされた南極基地に擬態する地球外生命体来襲 戦慄の一夜が始まる
原題
The Thing
感想
SF古典ホラー「遊星よりの物体X」をリメイク。
映画史上に燦然と輝く不朽の名作。
逃げ場なし!10万年前の恐怖と向かい合う12人の男たち!
人やイヌと同化した怪物のビジュアルはグロテスクで素晴らしいです!CGを使わずにこのクオリティは凄いです、1982年に観てたら衝撃を受けていたでしょう笑
南極基地というシチュエーションと誰が擬態されてるのかという疑心暗鬼ですね。
基地を爆破して炎の中暖かいが炎が消えると南極の厳しい自然が襲う、マグレディとチャイルズどちらがそれだったとしてももうなす術なしです。
エンドロールの曲映画に合ってて好きでした。
※ふっ飛べ
単にエイリアンを模倣した三流作品。駄作も駄作。超駄作。1951年版とは異なる。
本日テレビ東京の放送を見て。特に先入観なく見ていたが、地球外生命体のイメージがエイリアンにあまりにも似ていたため製作年度を見てみると、本作品は1982年で エイリアンが1979年。エイリアンの衝撃が大きすぎたため、影響を受けるなと言う方が無理があるが、しかしエイリアンの3年後の作品としては、あまりにも地球外生命体の姿が似すぎている。人間に寄生(同化)する点も同じだし、エイリアンを見た者にとっては、この作品は単に一流映画を模倣した三流作品としか評価できない。途中観測隊員が徐々に減っていくか、全員が同化されたわけでもなく、疑われて射殺されるのもおかしい。生きるための方法を模索せず、施設を爆破しようとするのもおかしい。最後に残った二人が両方とも人間なのかどちらかが同化しているのかもわからないまま終了。しかも最後に現れた隊員が、今まで姿を見せなかった理由も不明のまま回収できない。ストーリーとしても不完全燃焼のまま終了。
「遊星からの物体X」は古いSFの名作だったはずだとあらためて調べたら、古い映画は1951年版でストーリーも異なる。評価するなら1951年版の方だろう。1982年は駄作も駄作。超駄作だ。
雨宮慶太さんはこう言った映画のキャラクターからオリジナルのキャラクターを創造した
ホラーは法螺!
グロくもないし、作り物丸出しで、チャイニーズゴーストストーリーなみ。
もっとも、こちらの映画をチャイニーズゴーストストーリーはリスペクトしているのだろうが、憑依する恐怖はエイリアンの比ではない。
つまり、エイリアンは当該映画よりも三年前なので、エイリアンをリスペクトしている。
それは兎も角、遥か彼方の星から何光年もかけて、地球にやって来た、エイリアンさん。さぞかし残念でしたね。不時着したのが南極で、いきなり、寝起きを襲われ、殺戮に合う。ノルウェー、つまり、ノルマン系の白人の歴史を語っているのかなぁ。
『やられる前にやってしまえ』そうやって、彼等は生き残ったのですかね。火炎放射器が何を語るのか?日本人としては、核兵器と同じ位痛々しく感じる。
映画自体はストーリーも破綻して、どこかの安っぽいお化け屋敷程度。
もっとも、雨宮慶太さんはこう言った映画のキャラクターからオリジナルのキャラクターを創造したとして、僕は彼(雨宮慶太さん)に対しては敬意を持っている。
音楽がエンニオ・モリコーネ?どこで音楽がストリングスしていましたか?全く気付かなかった。エンニオ・モリコーネさんはグロい映画が嫌いなはずだが、彼はそう言った映画にも無理やり使われていたんだね。哀れだよ。
誰が"それ"なのか
タイトルに聞き覚えがあり鑑賞。1982年公開ですが古さを感じさせず、とても見応えがありました。
序盤のノルウェー基地で何か恐ろしいことがあったとわかるところからずっとおもしろい。テンポ良く様々な展開が起こるのでのめり込むように観られました。
南極という閉ざされた空間で疑心暗鬼になっていく様がとてもいい。基地の一員になった気持ちで誰が"それ"なのか考えながら楽しめました。
カートラッセル、一見今と全然違う見た目ですが理知的な目元は変わらないですね。
登場人物もみんな自然な個性があって良かったです。特にギャリーが好きでした。輸血パックの件で疑われて隊長の座を降りたり、血液検査で縛られてるのに隣のパーマーが"それ"だと判明したり、なにかと不憫な場面が目立って可哀想なのがいいですね笑
ビックリしたのは心臓マッサージのシーンと血液検査のシーン。特に血液検査はタイミングが絶妙なのよ。
"それ"の姿もCGは一切使われていないそう。とても生々しくリアルなのが凄い。
鑑賞後に『ゼイリブ』と同じ監督さんだと知って、他の作品も観てみたくなりました。ゼイリブもおもしろい作品だったのでよかったら観てみてください。
『ニューヨーク1997』とその続編『エスケープ・フロム・L.A.』の主人公がメタルギアのスネークのモデルだと知って俄然気になっています。
ラストシーンでも2人のどちらかが"それ"なのかとか、誰がいつから"それ"になっていたのか(特にブレア)とか、輸血パックやマクレディの服の件とか、最後まではっきりとはわからない部分があるのも魅力の一つだと思います。"それ"になった時、元の人の自我はどうなるのかとか、色々と考察もできる作品です。
PS2で2003年に『遊星からの物体X episodeII』というゲームが発売されていて、これが本作の3年後に基地の調査に行くストーリーだそう。ラストシーンの2人のその後もわかるみたい…?機会があればやってみたいです。
SFサスペンスホラー
当初から怪しさMAXの犬。まぁこいつがなんか企んでんだろうというのは分かったけど、序盤でシンプルに正体お目見え。しかも歴代TOPクラスにキモい。"あれ"のクオリティが凄すぎる。現代のようにCG技術がないからこそ、余計にキモくてむしろそこが恐怖感とグロテスク感を爆増している。
そこからは人間同士の疑心暗鬼の闘争に発展。本当に全員が怪しく思えてくる。こちらも(現代と比べて)映像レベルの低さから画面に鮮明さが無い分、観ている側も常に不安を煽られていて、主人公も"あれ"なのかと思えてくるのである。主人公の人間性も元から良い人では無いにしても冷静な人物だった。しかし疑われてからはより容赦の無い考えをする様になっていて、それが強い緊迫感、全くの余裕の無さを示していて素晴らしかった。
流石にアホすぎる自爆ノルウェー人や人間だった隊長?が血を捨てた理由など、ん?と感じる部分もあるけれど、話が進むにつれて自分がどんどん画面に前のめりになっていくのを感じた。総じて素晴らしい作品だと思った。
気持ち悪い
自宅PS4にて、U-NEXTで鑑賞しました。
予想外に気持ち悪いシーンが多くて驚きました。グロいのとか、虫とか苦手な人は見ない方がいいと思います。
最初の、犬が宇宙生命体に乗っ取られてるシーンでは、口が4つくらいに割れたり、変な細長い素早く動く触手が何本も出てきたりと、かなりキモいです。口が割れるシーン見た時、アニメの「寄生獣」みたいだなと思いました。
その後も、宇宙生命体の気持ち悪い映像が続く感じです。
ジョンカーペンター氏の作品は、僕は「ハロウィン」シリーズしか知らなかったです。ハロウィンシリーズはジョン氏自ら手がけたbgmが特徴的です。一方今作はbgm等が無いシーンが多く、演出よりもよりリアリティのある恐怖映像を目指したのかと思いました。実際、bgmが無いのはかなり不気味でした。
SFグロ・ホラーサスペンス
3度映画化されている原作は未読。
こちらは第2作目。
1982年冬の南極大陸。
ノルウェー観測隊に命を狙われたワンちゃんが、アメリカの観測所に逃げ込んでくる…。
評判通りの面白さ。
“The Thing”の生態は結局よく分かりませんでしたが、正体不明だからこそ恐怖に駆られ、連絡・移動手段の断たれた閉鎖空間で疑心暗鬼に陥る隊員達の様子に、最後まで目が離せません。偽物はコイツか?いや、コイツか?!と、こちらも1人1人を疑って見てしまいます。
同化時や擬態解消?時に現れる”the Thing”の出来栄えが素晴らしいです。当時21歳でクリーチャーを担当したRob Bottinは、1年以上休むことなく制作しその後過労で入院したそうですが、力の入れようが尋常ではありませんね。血塗れ、苦悶表情、ヌルっとした蛇・ミミズや多足類、蜘蛛、毒々しい緑色・黄色など、(中には好きな人もいるでしょうが)多くの人間が本能的、生理的に苦手とする要素をこれでもかと詰め込んでいます。こういう「嫌われ者」に対する制作者の愛すら感じました。腸と言って取り出したものが、(ヒトとして)異常なしという割には小さ過ぎて人間ぽくないのですが、あの解剖シーンには本物の動物の内臓を使ったそうです。
謎解き要素も満載!
1. ノルウェーワンちゃんが襲った影は誰だったのか。
監督は人物を特定させたくなかったため、あのシルエットは登場人物以外のものだそう。よって分からないことが正解なのですが、何度も見返して間取り図まで書いて考察してしまいました😅。同じことをした方々がネットに図を掲載しておられますが、どれとも一致せず…あれれ?🙃
米隊員12人 一覧
MacReady
Bennings
Blair
Clark
Childs
Doc (Dr. Copper)
Fuchs
Garry
Nauls
Norris
Palmer
Windows
隊員の寝室が並ぶ廊下:
[ア]BenningsがNaulsに音量を下げるようインターホン越しに注意するシーンと、最初の警報が鳴って休憩中の隊員達が慌てて廊下に出てくるシーンでは、廊下沿いに並べられている小物が大体同じで、
左側の奥から、
①DocとFuchsの相部屋
②BenningsとBlairの相部屋
③誰かの部屋
右側の奥から
④Windowsの部屋
⑤Naulsの部屋
⑥ChildsとPalmerの相部屋
であることが分かります。
③は⑥の向かいです。
Benningsに呼ばれたChildsが、慌てて身支度してる時だけ③室内の様子が見えます。
[イ]ワンちゃんが入ってくる時は、廊下の小物が随分変わっており(経時的には[ア]のシーンの間)、特に灰色のドラム缶の位置から、最初は[ア]とは反対側から廊下を撮影している(つもりな)のかと思っていましたが…、
天井の配管を見ると、[ア]も[イ]も撮影カメラの位置は多分一緒であり、同じ方向から廊下を見ていると分かりました。
で、最後まで観ると、影の正体はPalmerかNorrisということになります。
(Blairにしては髪がフサフサで眼鏡をかけていない。)
Palmer説
○ ワンちゃんは娯楽室で、PalmerとNaulsを見つめている。どちらにしようかなと言わんばかりに。
○ [ア]と同じ方向ということなら、ワンちゃんは②の部屋の前で立ち止まり、(Bennings は睡眠中だから?) ③のPalmerを襲った。
× しかしPalmerの部屋だとすると、Childsのベッド側の壁に写真やポスターが飾られていない。
Norris説
天井の配管はともかく…、もし反対側からワンちゃんが入って来たと仮定すると、
③の部屋に入った可能性が出て来ます。
ここがNorrisの部屋か、誰かと相部屋だったのかは分かりません。ワンちゃん変身時、既にNorrisは犬小屋に来ていました。Palmerが廊下に出た時、③の扉は閉まっていますが、その後誰か出て来たのか開いています。内装はあまり映っていませんが、⑥の部屋よりはスッキリしていそう?
(廊下に寝室が何個あるのか分からないので何とでも言えるのですが、もしも[イ]で映る灰色のドラム缶が[ア]で⑤と⑥の間にある物と同じなら、⑥の前で立ち止まって②の部屋に入ったことになります。BenningsではないとするとBlairになりますが、影の形や後述する理由でBlair説はボツにしました。)
また、犬小屋で真っ先に消火に当たるのはPalmerとNorrisです。
2. 誰のシャツか。
キッチンに捨てられていて、Naulsが発見した汚い灰色のシャツ。
支給品なのか、ほぼ全員服の下にそれらしき物を着ていました。1人数枚持っていてもおかしくないので、無駄な確認となりますが、Norrisは犬小屋のシーン以外は襟付きを着ていて、シャツが見えません。心臓マッサージの時も着ていません。PalmerとBlairはずっと着ています。
MacReadyがメッセージを録音している時、Windowsがシャツを見付けたと言っているので、てっきりまた別のシャツが捨てられていたのかと思ったのですが、これは脚本ミスのようです。
3. 鍵はいつ誰が手に入れたか。
Benningsに言われて、WindowsがGarryから鍵を借りますが、Benningsの同化を見て鍵を落とします。(ちなみにWindowsは、戻って来た時に下のシャツを着替えています。)Bennings焼却時に地味に不在なのはBlairとClarkです。屋外で保管庫の話になり、Garryが鍵をDocに渡しますが、そもそもGarryの元にどうやって鍵が戻ってきたのかは分かりません。Garryしっかり〜。
誰が輸血バッグを破損させたかで口論になるシーンでは、Palmerは後ろの方にいて、ほとんど映りません。なんかちょっと怪しげ。
4. 誰がラボの停電を起こしたか。誰がMacReadyを嵌めようとしたか。
Norrisは保管庫の件で怪しまれていたClark, Doc, Garryの3人を娯楽室でChildsと見張っていましたので、外へ出れたのはPalmerということになります。MacReadyのシャツを仕込むことが出来たのもPalmer。締め出されたMacReadyが戻ってくると、Palmerだけが焼き殺す気満々です。
FuchsはPalmerを追って襲われたのかなと。
Blairはいつどこで取り込まれていてもおかしくありません。発狂時は同化に抗っていたのか、単なるパニック状態なのか。私は後者だと思いました。犬と長く接触していたClarkをずっと疑っていたし、小屋に首吊り縄を用意していたので、少なくとも軟禁される時は人間性を保てていたのかなぁと思いました。
Fuchsを見なかったか?会わなかったか?とMacReadyに聞かれて、Blairは
“It ain’t Fuchs.”
と答えています。
会ってない、来てない、ではなくて、
Fuchsじゃないと。
ということは誰か別の人には会った可能性があります。Palmerが(Fuchsの代わりに)、小さい扉からBlairを同化したのかも知れません。
5. どの順番で襲われたのか。
Norrisに症状が出始めるのは、Fuchs捜索後です。もしPalmerが先なら、停電時に同化されたのか?
以上から、
犬 → Palmer ⇄ Norris
→ Fuchs, Blair
→ Windows
焼死体 → Bennings
という流れかな?
ノルウェー観測所捜索への立候補が却下されずに、そのままヘリを飛ばすことになっていれば、Palmerの運命は違ったかも?!
明るくても同化するんだなぁとか、ガウンも着ずに解剖するかい、メスの刃も変えないのかい、そもそも指を傷付ける時に変身するだろうとか、除細動器も食べちゃったのかとか😁、意外と穴だらけのような気もしますが、そこがむしろあれこれ楽しめる要素になっていると思いました。
ノルウェー観測所は、アメリカ観測所セットの焼け跡で造り、最後に撮影したとのこと。MacReadyはあそこで自らの運命を見ているようでした。
冒頭のノルウェー語。
ノルウェー人からするとネイティブではないそうです。
“Se til helvete og kom dere vekk! Det er ikke en bikkje, det er en slags ting! Det imiterer en bikkje, det er ikke virkelig! Kom dere vekk, idioter!”
英訳
“You get the hell away! It’s not a dog, it’s some sort of thing! It imitates a dog, it isn’t real! Get away, you idiots!”
ノルウェー語が理解できたらネタバレか?!でも何のことだか、普通はすぐに分かりませんね。
名演技のワンちゃんJed君は、狼とマラミュートのハーフ!でもヘリの下で雪原を走っていたのはJed風メイクを施された別のワンちゃんだそうです。とりあえず楽しそうに走っていて何より。
断定的でない、こういう終わり方も良いと思いました。
細部にまで拘ったグロテスクなクリーチャー達の一方で、見せない演出の素晴らしさを体感できる作品でした。
今のCG映画よりはるかに生々しい驚きがある傑作
エイリアンの一作目が今見ると着ぐるみ全開(実際に着ぐるみでの演技だったけど)なのに対して、こちらは今見てもリアルな恐ろしさがある。
ややグロテスクな描写があるので人を選ぶ作品かも知れないが、単なるパニックホラーでは終わらず、誰が敵か味方か分からない疑心暗鬼でスリリングな展開は古さを感じさせない。
ラストの黒人の吐く息が全く白く無い=既に化け物になってしまっている、という偶然の演出らしいが恐ろしい含みを残しての幕引きも素晴らしい。
続編のファーストコンタクトも悪い映画じゃないけど、CGを使えたのにこちらを超えられなかったのは本作の完成度の高さ故でしょう。カートラッセルってこんなにカッコ良かったのかとビックリする映画でした。
おぞましい
最初に見た時は、エイリアンのおぞましさにびっくりしたのを覚えている。
こんな発想がどこから来たのか、強烈だった。
人の体から普通では考えられない変貌を見せてくれていて、この映画が1980年代に出ていることにも驚いた。
エイリアンが入り込んでくる冒頭も自然でいい。犬になっているエイリアンが保護されてしまい、そこから基地の侵食が始まっていく。
ヘリで必死に犬を追いかけていた隊員の様子にも後から納得の行く描写で気持ちいい。
擬態乗っ取りを解明する流れも面白い。解析した人はそりゃ全員信じられなくなるよね。
誰かがエイリアンのはずなんだけど、それが誰だか分からない。全く同じ見た目と違和感のない行動が出来るから。ひょっとしたら、乗っ取られた本人もわからないのかもしれない。
それくらい、出てくるモンスターの造形はしっかり描写されているんだけど、そいつが何を考えているのかとか正体に迫らせない。
重要なのは、地球に来た(墜落した?)物体Xが、生き物を食って成り代わる能力があるということ。
南極基地という閉鎖空間に閉じ込められた調査隊たちが、エイリアンに入れ替わった人間は誰なのか疑心暗鬼にかられていく展開は緊張感があっていい。
スワンプマンの前身なのかな。
終盤のでっかくなった物体Xは流石に特撮の怪獣感が強くて中盤のエイリアンの描写の気持ち悪さには及ばなかった。
ラストの燃えている基地と、生き残った二人を残して暗くなっていくのも後味がいい。
二人は凍死したのか、生き残ったのかも知れない。もしかしたらどちらかが乗っ取られているかもという取り方だってできる。
ほんと良い作品。
気持ち悪かった
・寄生した宇宙生物が何よりも気持ち悪かった。あんなにグロいとは。
・寄生方法が血液一滴ってもはや、防ぎようがないと思った。
・心臓マッサージしようとして腕を喰われるのが驚いた。
・宇宙生物は結局いなくなったのかがわからないラストが後味の悪さを残して良かった。
・表紙の頭が光るポスターと本編の関係がわからなかった。
・北極に宇宙船が埋まってて、解凍したら生きてたっていうのが面白かった。
・誰が寄生されているのか?が肝のせいか、寄生されるとき、どんな感じなのかが気になった。痛いのか、気持ちいいのか。
・北極なのに火炎放射器たくさんあるなぁって思った。
・あんな仕事があったんだなぁって思うとゆったりとした時代だなぁと羨ましくなった。
よかった
これまで何度も見ていいて、久しぶりに午後のロードショーで録画していたのを見た。
血液で検査しているときに宇宙人が暴れ出しているのに、隣でロープで縛られっぱなしになっている場面がコントのようで面白かった。室内で豪快に火炎放射器を使うことになんの躊躇いもないところにアメリカを感じた。また、南極の基地なのに人生を楽しもうとしているような生活感もアメリカっぽかった。日本だときっと、もっと暗くて寂しげになる。
落ち着いて見るとモンスターがさっぱり動いていなかったし、人間に擬態してあのように普通に会話できるレベルになるなんて相当高度な宇宙人だ。脳の機能をそのまま活用しているのだろうけど、相当なもので、あの調子なら本当に人類を乗っ取ることなど簡単にできそうだ。今描くとしたら、そこまで高度でなく、繁殖力も弱くして、ひっそりと侵略しているのを地球人のエージェントが探し出すものにするのではないだろうか。
(追記)
スクリーンでやっていたので見てきたのだが、去年見返したばかりなのと寝不足だったせいかあまりワクワクしなかった。しかし、基地を破壊して回る場面に必要以上のデストロイを感じた。血の一滴だけで同化できるなんて無敵すぎるし、その割にクリーチャーは派手だ。何がしたいんだ、血液をこっそり忍ばせて同化すればいいだけではないかと思った。宇宙人はもうちょっと弱点があった方がスリリングだったのではないだろうか。またそのうち見よう。
紛れ込んだ恐怖
80年代ホラー映画の代表作。
「いつか必ず見よう」と思いながら、名作と分かっているが故に後回しになってしまっていたがようやく鑑賞した。
「それ」は現在の映画にも見劣りしない素晴らしいもので、
「それ」に殺害、同化される描写も見ていて楽しい。
キャラクターの性質上、逃げ惑う描写がないので基地ならではの閉塞感はあまり伝わってはこない。
それでも「それ」が完璧に隊員たちに紛れ込んでいて、目に見えない、対策できない恐怖を全員が感じている様子は、物足りなさを補っている。
過去の名作ホラーを見るたび、公開当時に生まれてきて観たかったなあと思う。
まさに「なに?」なクリーチャー
CGもない特撮でここまで気持ちの悪い作品を作り上げたと感心する。
下手なCGに比べても存在感が桁違い。
むしろCGで綺麗に作られても、あんなもん触りたくないし、近寄りたくもない…と感じるレベルになるかは別問題。その部分でこの特撮は凄い。
もはやB級ホラーと言う分野で区切れば絶対的名作である。
雨の後の筍みたいにはえてくる今時のB級ホラーではこれだけの興奮は得られない。
物語の中で採血して、ヒトなのかチェックするシーンは本当にドキドキする。
ラストシーンの白い息を吐く主人公と白い息を吐かない仲間を見て、どちらが?と言う所で終わっていくのは見終わった後も印象に残る。
前日譚が映画化したので改めて観る人も増えたが、回収してきた遺体やカミソリを持った遺体、切り出した氷の棺など、当時としても異様さは凄かった。
ビビって観なかった人も多いとは思うが観て損はない。ホラー映画はビビらされる位じゃないと勿体ないよ。むしろそれを観る権利を買ってるはず。
誰がいつどこでエイリアンとすり替わったのかは、監督もわかっていない...
誰がいつどこでエイリアンとすり替わったのかは、監督もわかっていないという。
ジョンカーペンター監督は自身の作品群の中で一番この作品を気に入っている。
ブレードランナーと同じ日に公開された。
両作品とも最初は低評価だったが、どちらも今ではSF映画クラシックとなっている。
特集造形のRob bottin は当時22歳。
解剖シーンでは本物の動物の内臓が、使われた。
ただのホラーじゃない!?
この作品の良さは、人間不信に陥るという恐怖。
誰がバケモノなのか。
そのバケモノ探しが面白さでもある。
あるのに、それが生かしきれてない!
血に意思があって、熱から逃げるという特徴からバケモノをあぶりだすという作戦。実際、バケモノが誰かが分かってから変身するのが遅すぎる。
この作品はノルウェーの基地で何が起こったのか?という疑問から始まるところが面白い。はじめから続編から作ってるという作品はスターウォーズ以外知らなかったから、逆に新鮮だった。自分は、ファーストコンタクトから観たからつながりが分かって面白かったけど、この作品から観て、1に立ち返るという見方でも良いと思う。
ラストも続編が期待できそうな後味の悪さだったので、この「人間不信」と「バケモノ探し」というテーマで語り継がれて欲しい。
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