「同化してるぜ!」遊星からの物体X kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
同化してるぜ!
平和な南極基地に突如の闖入者。ノルウェー基地のヘリが犬を追って、銃を撃ったり爆弾投げたり・・・挙句の果てはアメリカ人に媚を売る犬めがけて発砲。「何しやがんだー!」てな感じでノルウェー人を射殺。もう、このオープニングだけで凄い。アメリカ基地の隊員たちも何が起こったのか呆気にとられ、ノルウェー基地を偵察に行く。全滅していた状況に驚き、人間とも思えないほどの不気味な死骸を標本として持ち帰る。
犬たちが突如暴れだし、不気味な怪物と化し、パニックのスタート。火炎放射器で簡単に死ぬのだが、標本のほうも怪しげ。怪物は生物になら何でも同化してしまい、それがネズミ算的に増えてゆくのだ。27万時間後には人類すべてが同化???
とにかくCGのない時代のアナログメイクアップ。気持ち悪いてなもんじゃないくらい、えげつないほどのグロ描写。中盤のおっさんが怪物化したときにゃ、顔は伸びるわ、顔に足が生えてくるわで大パニック。同時期の『エイリアン』同様、閉鎖空間でのモンスター・パニックなのだ。しかも、仲間の連帯感なんてものはほとんど存在しない。誰がその“生き物”に同化されちゃったのかわからないことで、皆疑心暗鬼にかられるのだ。他人の名前の入ったシャツを破いて、「こいつ感染されちゃってるよ」などと、怪物自身も防衛本能でまともな人間を陥れたりするし、どこまでが同化された人間心理かよくわからないけど、血液検査のシーンなどは心理劇も見事。ただ、登場人物を把握するのに一苦労。終盤にはカート・ラッセル目線でスリルを味わえます。
「冬眠させるな!」てことで、基地を燃やし、爆破させるというハチャメチャな展開もいい。最後に残ったのはマクレディ(ラッセル)と黒人のチャイルズ(キース・デヴィッド)。絶望感に溢れた虚しさもよい。エンディングの後、どうなるのか興味津々・・・
※本日映画館にて再鑑賞
やっぱりスクリーンで観るとグロさが倍増!血液がチュルチュルチュルっと動くシーンでは思わずのけぞってしまいました。
27万時間後と書いたけど、字幕では2万7千時間後だった・・・また確かめなくては・・・