模倣犯のレビュー・感想・評価
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薄っぺらいデジタルのような人間関係へのアンチテーゼ
宮部みゆきの長編小説の映画化。
デジタル要素が散りばめられた映像でエンターテインメントに特化している。
前半は被害者側をピックアップし、後半は犯人視点で事件の種明かしをする。
森田芳光監督のアイデアが詰め込まれていて一風変わった映画に仕上がっている。
カメラワークも独特で、映像的にやりたい放題なところがあり、この事件の真犯人は監督なのではないだろうか、とさえ思えてくる。
天才でイケメンの"ピース"こと網川浩一(中居正広)と、普通の戦争経験者である有馬義男(山崎 努)のやりとりが面白い。網川は有馬に理想の父親を感じていた。
前畑滋子(木村佳乃)が「模倣犯」であるとTV番組で発言し、犯人を挑発する場面も良い。
直接的に神に言及する場面は少ないが全体的に間接的に神秘性をまとわせ、人と人の希薄な関係へのアンチテーゼがある。
ラストの有馬に託された新しい命については、円盤の特典映像でも答えは明らかにされていない。その真相は、あらゆる可能性があり考察の余地がある。
脚本、演出、編集、演技力のバラツキ、ラスト なんじゃこりゃ よく皆...
今もコロナ不景気だから模倣犯が・・・
ラストには助演の山崎努が温かい人間らしさが満ちていた。これ以外にいいところがない映画。脚本ダメ、演技ダメ、演出ダメ。映像や最新のITを使おうとしていたことだけは褒められるのかもしれないけど、上手くいかされてない。
どこにも感情移入できないし、緊迫感もさっぱり感じられないサスペンス?原作者宮部みゆきの訴えたいところは若干感じられるものの、製作者がそれを理解していなかったのかもしれない。
最もよかった点は、ラスト近くのニュース報道で「自衛隊員がふざけて富士山に落書きしようとした」と聞こえてきたところだ。ひまつぶし、なんとなく行われる殺人事件。不景気になってくるとこういった現象も少なくなるのかもしれないが・・・
駄作
自分の存在を知らしめるために犯罪を繰り返す男たち。 何の恨みもない...
謎が残った。
あっけにとられるとは正にこの事。
途中、もしかするとそこそこ良いシーンもあったかもしれない。
でも何もかもを吹き飛ばすラスト。
素晴らしい出来で、あまりの面白さに幾度となく読み返し楽しませて貰っている原作。
その映画化とあって期待と不安を持っての視聴だったが……
このラストはいったい何がどうしたことか。映画を見て口が開いたのは初めてである。
途中までは確か、まあこんなもんかという出来栄えだったように記憶しているが……
長く描写も細かい原作ゆえ、ある程度無茶な締め括りは覚悟していたが……
制作側の頭がパンクしたとしか思えないラストに衝撃を受けた。
例えるなら、完成間近のドミノの生中継で
突然作り手がドミノを蹴散らしながら大笑いで祭りを始めたような発狂ぶりである。
主演や原作がどうこうという話ではない。
出演者もスタッフも頑張っていたと思う。
ただひたすら、よくこのラストでいこうという話が通ったなと口を開くのみ。
まさか大金と時間と人手をかけた映画という代物で、こんな見事なヤケクソを目にできるとは思わなかった。
むしろ生涯忘れられない迷シーンとも呼べる結末なので、考えようによっては観て良かった。
かつてない驚きを味わえる。
そういう意味で、1度は見て欲しい作品のひとつだ。
久しぶりの視聴
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