「非常に評価の難しい作品」もののけ姫 KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
非常に評価の難しい作品
この作品、私にしては珍しく2回見ました。最初見た時はすごい。とおもいました。特に前半の緊張感。もののけ暴走の恐怖とアシタカの使命感みたいなものが。それが凝縮されたシーンが矢を放つシーンで。敵を倒すシーンですね。腕に異形の者の力が宿ってしまっているので、矢がものすごい勢いで飛んでいって敵の首を飛ばしてしまう。あのシーン。矢という細いものが飛んでいくというだけで、あんなすごい演出になるのはさすが宮崎駿でしょう。しかも首が飛ぶ瞬間がアップになっていない。それなのに凄い迫力がでてた。物語のテーマ、描いているドラマ、どのような危機なのかが明確にしっかり描かれているからアクションシーンの迫力が出るものだと思う。それで引き込まれて最後まで面白く見れました。
キャラクターが原作漫画のナウシカと被っている・・というか、被らせてあるので。これは漫画ナウシカを映画化にしたような作品だと思いました。
2回目見るとどうしても荒が目立ってしまい、特に後半の部分が、まずいかなと。この映画がわからない。とかいうレビューが多いと思いますが。やはり後半部分。あるいは物語で提示されている、「人間の中の悪意」という、この問題をどうかたづけるのか?といった部分がうまく消化しきってないように思います。また、演出的にはタタラ鉄を作っている女たちが出てくるシーンがありますが。もう、女たちのキャラが全然描けていなくて。やっつけになっちゃってます。おそらく監督自身が映画を作ってる途中で、こらの後半部分があまりよろしくないことに気が付いちゃって、やる気をなくしたんじゃないんでしょうか。神様が人間の攻撃によって傷つく、というのもおかしいですね。人間が文明を発達させて金のために悪意に落ちて自然から離れていくので、神が消えていくとか、そういうふうにしたほうが良かったんじゃないんでしょうか。
前半5.0、後半2.0。平均で3.5にしました。
