劇場公開日 1995年3月4日

「ディズニーのチャレンジャーとしての野心作?、それともファミリー映画の傑作か??」メリー・ポピンズ Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ディズニーのチャレンジャーとしての野心作?、それともファミリー映画の傑作か??

2014年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

幸せ

子供の頃、親が休みの日に、私の手を引いて連れて行ってくれた思い出の映画であった。
しかし、部分的な処はぼんやりとは憶えているものの全体像を思い出す事は出来ない。
そこで今回改めて観ると何だか面白味に欠けてしまう作品だった。
それは、きっと自分が子供心を失ったためなのだろうか?

50年前に、ウォルト・ディズニーは自分の子供との約束を果たすために、子供が大好きだったお話を映画化すると言う親子の約束を守るために出来た、思い入れの深い作品だった事を初めて知った。

そんな、思い入れの有る作品を制作したと言うその事自体を描いた「」のお話の方が、今の私には面白い作品である。

50年前の作品と言えば、90分から100分位の作品が多い中で、正にこの映画は長編だ。
子供は飽きることなく、ジュリー・アンドリュースの素晴らしい歌声に感動し、また街の大道芸人の奇想天外なマジックをアニメとの合成で夢の世界に観客を運び入れる。
是が50年以上前の事なのだから、きっと人々は目を奪われ楽しんだのに違いない。

アニメとミュージカルを組み合わせると言うこの、新しい映画のスタイルこそ、その後の数々のディズニー映画の名作の原型を成すものとして記念すべき実験的作品だったと言っても過言ではない作品だ。

ストーリーは、銀行勤務の厳しい父親に育てられている幼いジェーンとマイケル姉弟は、日々口喧しい父親の厳しさから逃れて、楽しく遊んで暮らしたいと願っても中々彼らの夢は叶わない。
そんな彼らが、親に代わって自分達の面倒をみてくれる子守のベビーシッターの求人広告を自らの希望のタイプを記してみると、あれよあれよと、不思議な事に天から、メリーポピンズのナニーが彼らの元にやって来ると言うお馴染のお話だ。

そして家族や、街の人々をも巻き込み楽しい日々を送ると言うもの。
やはりここには、自分の人生は自分で切り開いて、問題解決へと向かう努力をする事で、
必ず願いは叶えられるので、勇気と希望と夢を胸に、前進しようと言うディズニーの夢のマジック哲学が息付いているからこそ、制作された当時は、子供ばかりでは無く、大人も楽しんで観にいったのだろう。
リチャード、そしてロバートシャーマン兄弟の手に因って、この映画は名曲を世に送り出し、アカデミー音楽賞を確か受賞していたと思う。しかし、この作品に続いてあの名作「サウンド・オブ・ミュージック」が出来るのだから、この作品は映画史に残る立派な作品だ。

ryuu topiann