劇場公開日 1984年7月14日

「森田芳光によるアイドルPV」メイン・テーマ mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 森田芳光によるアイドルPV

2025年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

驚く

カワイイ

なんともシュールな作品である。森田としてはかなり肩に力が入り頭で作った映画のよう。同世代の相米が🎦翔んだカップル、🎦セーラー服と機関銃で、根岸が🎦探偵物語で大ヒット。当然後発の森田の肩に力が入らないはずがない。映画の完成度においては褒めたものではなかったがそこは稀代の映画監督。時代の読み方はうまい。興行的に当たりさえしたら全てOK.それにしてもこの🎦メインテーマ、かなりぶっ飛んでいる。出演者の半分以上がニューミュージック系のミュージシャン。さらにはサイババ―コミック系ガロ3羽ガラスの漫画家のひとり、ひさうちみちおが演技してる。ゲルニカの戸川純もいる。今でいう椎名林檎とあのチャンが合体したようなキャラ。流石時代の寵児・森田芳光。いや~この映画、マジで時代のど真ん中射抜いたんだろうなぁ~。批評家からはボロクソだったらしいですけど、原作の片岡義男(どうも原作と原案で別のようですが・・)あの楽曲で彩る時代的センス。角川春樹のべらぼうぶりが良く出ていた。まさに蔦屋重三郎に並ぶ興行師。楽曲もてっきり来生たかおかと思いきや南佳孝。そう、ティンパンアレイやムーンライダースなどのあの南佳孝にはっぴえんどの松本隆。松本と来たらやはり筒美京平との間に生まれた太田裕美迄出演してて驚くしかも知ってる太田裕美ではなく都会にの色にすっかり染まった太田裕美であったのは残念・・・もう昭和マニアには感動の雨霰と言って良い笑

それと🎦平場の月との関係だが、恐らくソラで二人であの曲に反応して歌い出してる事を考えるに中学2~3年生の時の二人はあの映画を一緒に観たのだろう。そして20歳の誕生日を迎えた薬師丸と野村が結ばれるシーンで・・流れる🎵メインテーマの楽曲に、5年後に自分たちも・・と想いを馳せながも、全く別の人生を歩んだ末に再会した二人とその最後の運命に被さる様に流れる、🎵メインテーマ。この引用には🎦平場の月のエンディングが見事に重なり、またまた涙が頬を伝ってしまいほどである。逆算すれば丁度55~6歳の二人。ピッタリ時間と時代が符丁する。その事によって🎦平場の月のエンディングは更なる深みが生まれるように設計されている・・・丁度その時代の息吹を知っている観客にとってはなおさらの事・・・知らない者でもその辺は追体験が可能・・そう云う風に仕掛けられてある映画なのだと思う。しかもそれが仕掛けであるとは分からぬように丁寧に繊細に・・・・

改めて🎦平場の月の傑作性が再認識されたところである。

mark108hello
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