劇場公開日 1984年7月14日

「脚本、演出、キャストとも実験的な要素が多く、前半は辟易したが徐々に...」メイン・テーマ 時村さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0脚本、演出、キャストとも実験的な要素が多く、前半は辟易したが徐々に...

2017年1月20日
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脚本、演出、キャストとも実験的な要素が多く、前半は辟易したが徐々に慣れていった。面白くはないんだけどなんだろう、何故か憎めないんだよ。謎のインサートやパロディやモーテル前での賑やかしなどいかにも80年代って感じでしょうもないのだが、その軽薄さ、おバカさ、意味のなさ、まさにマジックのように連発される小細工が、なんだかひとりの少女が大人の女性へ変わりゆくもどかしい気分とマッチしてて爽やかな余韻を残す。ラストのバルコニーに風船が飛ぶヘリ上空からのロングショットなど「ああ、こういう映画があってもいいな」と思わせる。ただ、重ねて言うが面白くは、ない笑。
それにしても薬師丸ひろ子は名優と絡ませると本当に魅力が引き出る。桃井かおりとコーヒーを飲むとこ、正反対なタイプのような二人が並ばせると存外しっくりきて好きなシーンだ。またそのあと桃井のアドバイス通りに背伸びしてセクシーさを出そうとする場面など天才的にかわいい。しかし男性陣はミスキャストと言わざるを得ない。

時村博士