未来の想い出 Last Christmasのレビュー・感想・評価
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人生の選択
売れない漫画家・遊子(清水美砂)とDV夫に悩む主婦・銀子(工藤静香)が死んでから10年前に蘇るというタイム・リープもの。
今やこの手のSFは乱作でお馴染みだからか仕掛けは説明なし、ですからSFと言うより神様のいたずら的に思えます。
二人の出会いがクリスマス・イブというだけでクリスマスものではありません、まあ、ワムの定番のクリスマス・ソングで雰囲気だけは感じます、これから起こる奇怪な出来事がクリスマスの奇跡という訳でもありませんから宣伝上の便乗でしょう。
原作はドラエモンの藤子先生、業界ものだったのを森田監督が女性二人の友情とそれぞれの恋愛ものにリメイクしました。藤子先生も占い師で出演されている位だからお気に召したのでしょう。
出来はどうかというと、基本女性向きに作られている印象、男優陣は添え物的でパッとしない。
もし、10年前に戻ってやり直せる機会を得たらあなたならどうしますか?という面白いシチュエーション。
(ネタバレ)
主人公たちは最初は戸惑うものの失敗を繰り返さないよう、未来を知るアドバンテージをフル活用してがむしゃらに生きるがやがて終焉の時が来る、また繰り返されるとしても限りある時間なら自分らしく生きようと人生の意義らしきものに目覚めると言う王道の筋書き。
ホールイン・ワンは不吉と言うジンクスがあるようだがなんとショック死、霊柩車にはねられるなんて漫画チックなのはご愛嬌、時代のヒット曲を被せてノスタルジックに描いているし、最後は運命は意思で変えられるのかと言う緊迫のエピローグ。
主役の二人は年齢も顔立ちも似通って見えるがまるで同一人物の陰陽を表すようで数奇な運命と絡めて意味深なキャスティングに脱帽、それに反して男優陣がパッとしないのは不可解、唐沢さんの登場は何だったのでしょう。恋愛モードはかったるかったが面白い着想の映画でした。
「キャベジン」と「リステリン」、あります?
映画「未来の想い出 Last Christmas」(森田芳光監督)から。
(あれ?誰の言った台詞だったろう、メモ忘れ)
たぶん主演の工藤静香さん演ずる金江銀子さんが、
男の人の部屋に誘われた時に使った返事だったと思う。
1992年作られたこの作品、
要所要所に当時流行った歌がBGMに流れていて、
時代を感じさてくれる映画になっていたから、
この台詞も、面白かったのかもしれない。
「最終電車に乗り遅れた」とか「酔いすぎて歩けない」など
異性を部屋に誘う方法はあるのだが、
誘われた女性も「えっ、本当に何にもしない?」と返すくらい。
それが今回は「行ってもいいけど・・」と思わせぶりをして
「キャベジンとリステリン、あります?」と聞き返すシーン、
時代は変わったなぁ、と笑いながらメモをした。
不変の映画もいいけれど、時代を表現する映画もいいな、
そんなことを思った作品である。
今の時代なら何と言うんだろうか?(汗)
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