ミツバチのささやきのレビュー・感想・評価
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ストーリーは考えず・・・
若い頃、スバル座で鑑賞したがさっぱり、わからず
何故かもう一度観たくなりレンタルして観た
これも「エル・スール」の監督作品で
幼い子の目線で描かれていく
家族の話や
内戦で別れてしまった男性や
脱走兵や
子どもたちの何気ない暮らしの中に
戦争の匂いがただよう作品
この作品も映像での表現が多いので
こちらはありのままを観て感じ
想像して鑑賞した
少女によりそって鑑賞したら
私も少女の中に入り込み
驚いたり
夢見たり
作品の中に入り込んだ
この女の子の瞳がまんまるで、かわいかった
静かな混乱
恐ろしく台詞が少ない。しかも決定的な事件も少ない。だから話が難解になっている。
ポイントは3つ。
「フランケンシュタイン」「ミツバチ」「キノコ」
この3つの場面だけはいろいろ説明しているので、
その説明の文言をヒントに解明するしかない。
時代背景も色濃い。当時のスペインは内戦が終結。
それでも社会は混沌としており、この映画のフェルナンド家族もまた、
そんな社会情勢に翻弄されていた。
窮屈な社会=ミツバチの巣
新たな希望=創造物としてのフランケン
そして、キノコは死をイメージさせる。
台詞欲しいところも多々あった。
父フェルナンドは娘アナを何故に叱らないのか。
フェルナンドと後妻?テレサは一切の会話がないのは何故か。
何とも深い話だが、3回も見直して疲れました。
ヴィジュアル系映画
ヴィジュアル感強い
クリムトを思わせる耽美的で退廃的な一枚一枚の画、
各シーンに意図が行き渡って寓意的であるというのはもちろんのこと、
なにより
主演女の子の顔が強すぎる
あまりにも美しい
全盛期hyde様もここまではというほど
永遠に見ていられる
それ以外の部分は
センシティブでない人にとっては非常に退屈で眠い
重要なのはストーリーではなくビジュアル
台詞がなくてもよいのではというくらい、(実際台詞少ない)
映像絵画というかんじ
なんだ、こりゃ?
1940年代、内戦が終戦したばかりのスペインのとある農村が舞台。幼い少女アナが、村を回る映画で「フランケンシュタイン」を観、姉に「フランケンシュタインは死んでない。精霊だから」と教えられ、村はずれの廃墟で負傷した脱走兵に会い、… と起きることだけを羅列すると、こんな映画。
しかしこの映画の真髄は、少女の思い描く心象風景なのであろうから、上記には大した意味はない。
心象風景とは言っても、映画は現実に起きることを撮影してるだけで、ファンタジーではない。フランケンシュタインのくだりだけが、アナの心の中にあるだけの映像か。それでいてこの映画全体を「心象風景」と感じさせるところが、この作品の、この監督の凄いところだろうか。
なんか偉そうに書いたけど、「なんでミツバチのささやきなの?」を筆頭に、ちっともわからなかった俺でした。これからみんなの感想を読んで勉強してきます!
荒涼とした世界とお友だち
静かで繊細、繰り返し鑑賞することで作品の真髄に近づけるような、そんな映画でした。
難しいことをあれこれ考察できそうな作品ですが、深く考えなくても楽しめると思います。
何より主人公・アナちゃんの可愛らしさがどキャッチーです。お目目がクリクリしてたいへん可愛い!子役にありがちなウソ臭さもなく、素に近い演技も好感が持てました。あんまり笑わないでジッと見つめる表情が感受性の豊かさ表しているようにも思います。アナちゃんの画面支配力はハンパではないですね〜。
傑作として語り継がれている本作ですが、なんだかんだとキャスティングの勝利だと思います。アナちゃんあっての映画です。
また、本作は語り口が渋いです。日常描写が大半を占めており、アナを取り巻く世界がリアルに伝わります。
荒涼として息苦しい村、どこか心がつながっていない両親、早くもスレはじめているイザベル、姉以外に友だちがいなそうなアナ。父親が語るミツバチの労働への見解は、人間の生を全否定するような厭世観に溢れています。あと、冒頭のフランケンシュタインから始まり、イザベルの死人ごっこ等、やたらと死の匂いが漂っているのも印象に残ります。
アナの目に映る世界は、モノクロで重苦しい。ただ、母親とのスキンシップは豊かであり、決して絶望の世界には生きていない。
本作では、フランケンシュタインが重要な役割を果たします。フランケンシュタインとは何か。
アナは初めからフランケンに好感を抱いていました。異形の存在だが、映画のフランケンはどこか優しげ。アナはフランケンの内面に感じるものがあったのでしょう。
アナは友だちが欲しかったのだと思います。息苦しい世界を生きるためには、誰かが必要です。イザベルも死んだふりとかするので、なんかついていけないし。小屋の脱走兵との出会いは、アナにとってとても大切なものだったのでしょう。
そんなアナの心情を想像すると、より切なさが増します。
本作はスペイン内戦とその後のフランコの独裁政権への批判が描かれているとのことです。スペインの近代史を勉強していくとさらに映画を楽しめそうです。象徴を用いて間接的に独裁政権や内戦を批判しているようですし(wiki参照)。内戦時代、舞台となったカスティーリャ地方の様子や立場がわかると、父親の厭世や母親の苦悩、村の事情等をより想像しやすくなりそうです。
嫌だね。
ちっちゃいコがこういうことすると危ないんじゃないかなぁ・・・というエピソードが次々とでてくる。そういうので客を引き受けようという作家的姿勢が気に入らない。
全体にストーリー性はなくエセ映画っぽい雰囲気に満ちている。
もっとも・・才能を感じはしたが・・・
抗しがたい死の魅力
ワンカット、ワンカットが絵画のような美しさについ魅せられるが、実はいつの間にか登場人物と同様、死に魅入られている。そんな作品である。
人はなぜ死ぬのか、死ぬとどうなるのか、という、幼少期、誰もが持つであろう根本の問いをモチーフにした絵巻のようである。
家族の誰もが死と生に取り憑かれながら生きている姿が、悲しくも凛々しい。
本来はフランケンシュタインのようなホラーを撮影するはずが、様々な状況から本作のような文芸的佳作が生まれたとのこと。思うようにならないのが人生だ。それがこのような結果に結び付くのだからこそ面白い。
愛らしくてとても、とてもおそろしい映画
渋谷ユーロスペースで映画上映してくれたので、映画館で観る幸運に巡り会えた!
幼い2人姉妹がいる家族の、ありふれた日常が美しい映像で綴られていく。母親にはちょっとした秘密があって夫婦仲は少しだけギクシャクしているが、それも特筆すべきことではない。なのになぜか一つ一つのシーンのフレームの外、黒目がちに煌めくアナの眼差しの先に、濃密な死の気配が漂ってくることが感じられる。ミツバチの巣のような格子状の窓から差し込む蜂蜜色の日差しや、穏やかだがどこか寒々しい石造りの建物も印象的で、一度見れば一生忘れられないような、まさに不滅の映画だった。
ミツバチのように光り輝く子供たちの魂とは
ビクトルエリセ 監督。
わたしが10代で出会って、最も敬愛する映画監督の一人。
その衝撃は、この映画、ミツバチのささやきの国内上映をリアルタイムで観た瞬間からだった。
それ以来、何度観たであろう。
テレビで、ビデオで、レーザーディスクにDVDにブルーレイの時代となっても。
この数年、リバイバル上映があったがチャンスを逃したので、映画館の銀幕で観るのは、80年代以来だから40年ぶりか。
奥行きのあるフィルムの印象から4Kレストアとなり、時代も変わり、年齢も、考え方も、あらゆることが変わった今、あの頃とまったく変わらない魂で安心して観れる映画などなかなか無いだろう。
これだけ時間が経って変わったことと言えば、映画の時代背景に対する歴史観も知識が多少増えてるし、実際にその後スペインにも行って土地勘もあるし。
なんといってもミツバチに対する愛情がこの映画で増したから養蜂家に憧れ、今ではミツバチの生態や飼育の知識もあって、そういったシーンもガッツリ観てしまうところが、ちょっとだけ進化したかな。
でも、それらはどうでもよいこと。
この映画の魂は、そこじゃない。
アナとイサベル姉妹はかわゆいだけじゃない。
反戦を表に出さずとも、この歪んだ大人の世界を、多感な感性で影響受けながらも魂から変える力が子供たちにはある。
そう、あの神秘的なミツバチのように、静かに、しかし力強くささやくのだ。
この映画がヨーロッパらしい暗い場面が多いけど、それはより光を感じるため、未来に生きる輝かしい子供の存在を際立たせることにつながってる。
そんな微細な光を感じられるのは映画館じゃないと。
とにかく、映画館で観ることをおすすめすします。
伏見ミリオン座 にて
※評価5の映画史上最高傑作10選+α
2001年宇宙の旅
惑星ソラリス
ブレードランナー
未来世紀ブラジル
ミツバチのささやき
ブリキの太鼓
時計じかけのオレンジ
裸のランチ
ウンタマギルー
ナウシカ
もののけ姫
ストレンジャー・ザン・パラダイス
バグダッド・カフェ
ドゥ・ザ・ライト・シング
※わたしの評価の基準
期待通りで3、期待しすぎで普通でも3、期待せず予備知識もなく面白かったら3、それ以上なら4、それ以下なら2。
よっぽど酷いと1。
期待を裏切る良さがあれば4だし、完全に裏切られるほど期待を遙かに超えてたら5です。
深く静かな映画
小さな女の子の姉妹。そのお父さん役の俳優・フェルナンド・フェルナン・ゴメスは「蝶の舌」の学校の先生を演じていた人だ。
スペインの内戦が少年の心に深い傷を与える「蝶の舌」。
そして、この「ミツバチのささやき」も、同じくスペイン内戦が少女の心に大きな影を落とす。
どちらも静かに、しかし心の深い場所を揺り動かす映画体験を与えてくれる。
"秘密と嘘 死への誘い"
とにかく初公開の時に観た印象が忘れられない、
その神秘的で純粋無垢かつ、幻想的な作風に多くの映画青年達がKOされたものです。
何と言ってもまずはアナ・トレントでしよう。全てを見抜いているかの様なあの眼、愛らしさ、まさに‘奇跡’と呼ぶに相応しい傑作だ!!
10年に一本しか撮らないビクトル・エリセ、もう『マルメロの陽光』から10年過ぎてしまったぞ…‥。
※↓以下改訂らしき感想(纏まりきれていない)
"秘密と嘘 死への誘い"
少女は成長するに従い無垢なる心を失って行く。
母親には誰にも言えない秘密が有る。
姉イザベルは妹のアナに軽い嘘を付いたり、自分でも気付かない間に、少女から女へと変わって行く兆候が見られるのだが、本人はその事にはまだ気が付いてはいない。
『エル・スール』は何度も観ているのだが、今回久し振りに再見した事で、本編と『エルスール』との間には多くの接点が見いだせたのは大きな収穫でした。
『エルスール』での父親オメロ・アントネッテイのイレーネ・レオスへの想いは、この本編に於ける母親のエピソードを発展させたもので有るし。
少女アナの秘密がバレる懐中時計の使い方は『エルスール』での父親と娘との《沈黙の戦い》へ。
懐中時計は“ダウジング”へ。更に細部まで細かく観ていると「あ?これはあの場面に繋がっているのでは?」と思える場面が沢山ありますね。
今回新たに感じたのは、全編で《死》に対するイメージが数多く観られた事です。
父親が教える毒キノコの見分け方。しかし、少女アナは思わず「いい匂い」と本音を口にする。
すぐさまその毒キノコを踏み潰す父親。
姉イザベルが黒猫に指を引っかかれ怪我をする。指先からは血が出ている。その血を口紅変わりに使うイザベル。
鏡越しだけに何だか画面が異様な雰囲気で、どこか退廃的な死のイメージに包まれている。
その直後の場面では、アナがタイプライターを叩いて遊んでいるのだが、彼女の背景にある絵画には骸骨が描かれており、画面もその部分を強調している。
姉イザベルは更に自ら死体となってみせる。
返事をしない姉のイザベル。
だからこそ少女アナは仲間外れになりたくない思いからなのか、この後知らず知らずの内に死への妄想を膨らませて行く。
映画の中では父親にその秘密を見透かされる事となり、現実的な描かれ方をされているこの場面は、映画の冒頭にアナが経験する世界中で知られている有名な“死からの生還者”へ、アナがダイレクトに感じた想いへと繋がって行く。
果たしてこのアナの想いは妄想なのか?
それとも現実なのか?
最後の汽笛は死への誘いなのか?
それとも…。
そんな思いを持って観ているからか、火を飛び越える遊びをする姉達の場面すらもそんなイメージを持って観てしまう。
だから、姉と2人で機関車の行方を見つめる有名な場面すらもそんな思いで観てしまっていた。
この機関車の汽笛はラストシーンに於ける“ささやき”に対して再度聞かれるのだが、単なる汽笛が恐ろしい“返答”にすら思えてしまった。
ある意味《死への囁き》なのだろうか?
今改めてアナは祈る。
魂と肉体の復活を信じて。
「わたしはアナよ」
(2009年5月21日 下高井戸京王)
(1985年2月10日シネヴィヴァン六本木)
(1986年5月18日下高井戸京王)
純粋無垢な瞳♡
アナ・トレントがとにかくかわいい♡
アナと姉イザベルの純粋無垢なやりとり。
怖いもの、神秘的なものを盲目的に信じちゃう子供独特の世界を思い出させる。
大草原の中のポツンとした世界観も良かった。
動きが少なくてちょっと退屈した
総合:55点
ストーリー: 50
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 65
最初の一時間というもの、物語らしい物語はない。幼い姉妹の学校生活、家庭生活、茸狩りやお喋りや夜に寝る前のちょっとした小話、そんな何気ない日常がひたすら描かれる。フランケンシュタインの映画と、それに感化されて村外れの空き家に行く冒険が、日常とは少し違う映画の物語らしい部分という程度だろうか。そんな小さなことが少し寂しい風景ながらも美しく暖かく繊細に淡々と描かれる。それは悪くないのだが、だがあまりに話が動かないので正直少し退屈もした。
後半、やっと物語が動き出す。しかしそれでも動きはゆっくりで、子供の目線で子供の時間で進行する。子供の目で見た世界はちょっと神秘的で幻想的。だがやはりちょっと退屈だった。
カメラワークも子供たちの演技もいい。映像は文学的な崇高さがあるし、アナの存在はとても大きな魅力だし質は高いなと感じるのだが、全体に大きな進展がなく動きもゆっくりで、それほど面白いとは思わなかった。上映時間のおよそ2/3が日常風景の描写では、流石に長すぎて暇を持て余す。映像の良さやそれが醸し出す雰囲気も大切だが、物語も映画には大切。そのあたりがあまり自分の感性に合わなかったのだろう。同じビクトル・エリセ監督で同じような雰囲気の作品でも、「エル・スール」のほうが物語があってずっと良かった。
深く静かな諦観
ミツバチの巣を模したガラス窓は、
そこから出る事を禁じる牢獄の鉄格子にも見える。
内戦後のスペインの、さびれた村で「フランケンシュタイン」が巡回上映
される場面から始まる、絵画のように美しい映画だが、前半は正直に言うと
眠気を感じてしまった。
だが見終わった時、忘れる事のできない深く静かな諦観に浸されていた。
腑分けされた死体から繋ぎ合わせられた怪物の悲しみと、切り離されて
また寄せ集められたごとく暖かさを感じられない家族の虚しさが共鳴
している。
アナとイサベルの姉妹も、まるで一人の少女が内包する善と悪を分割して
生み出されたようにも思える。
アナの瞳は、引き込まれる漆黒の闇(ブラックホール)のようでもあり、
相対する物の姿を映す鏡のようでもあった。
幾つもの問いかけが、こたえのないまま、ささやき続けられる。
「あなたは来ない人を待っているの?」
「あなたは精霊を呼んでいるの?」
「あなたは人生を諦めているの?」
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