ミッドナイトクロスのレビュー・感想・評価
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ラストのジャックの切ない顔が心に残る
今年キリバリー・ビアス監督によって「キャリー」がリメイクされると言うので、デパルマ監督の作品を数本見直してみようと思い立って選んでみた3本の一つがこの作品「ミッドナイトクロス」だ。
「キャリー」は新作を観る前に比較してみる為に選んだのだが、この「ミッドナイトクロス」を選んだ理由は、公開当時は「サタデーナイト・フィバー」が爆発的人気を博した為に、未だ未だJ・トラボルタ熱が覚めない頃で、人気俳優のJ・トラボルタが出演していた作品であったと言う事で、当時私も学生だったので、絶対に見逃がすまいと、映画館に並んだのを憶えている。
しかし、ストーリーをおぼろげに憶えている程度で、細かい内容についてはすっかり忘れていたので、この際観る事にしたのだが、この作品ってこんなに軽いと言うか、上っ面だけの単純で面白くない作品だった?と改めて観ると驚いたのですよ!
公開当時の私は、ラブサスペンスで結構面白かったと言う印象だけが残っていて、何処までも犯人が迫って来る感じにハラハラドキドキした記憶が、痛烈にあったのだけれども、
今見直して見ても確かに、ドークと言うジョン・リスゴーが演じる長身の殺人犯が一番良い味を出している気がした。
しかし、B級ホラー映画の音響効果マンを務める主人公であるJ・トラボルタ演じるジャックの淡い恋心を寄せる事になる、ナンシー・アレン演じるサリーの軽薄なオバカなキャラクター設定って普通に、こんなヒロインを設定するのか?と疑問視???
いくら何でも、こんな軽率な行動ばかりするメイク係志望の女性を主役の相手役にする何て本当に驚いた!ラストでどうしても殺されなくてはならないヒロインなので、設定上オバカキャラが外せないキーパーソンなのだろうか?それにしても、もう少し魅力あるキャラクターとして演出出来る気がして、脚本にもう少し配慮出来る点が無かったのだろうか?とデパルマに対する評価を疑った。
デパルマ監督の代表作の一つである「殺しのドレス」も見直してみたが、これも今の私には、頂けない作品だった。
キャリーはS・キングの原作という事もあり、ストーリー性の面白さと登場人物のキャラクター性の魅力がしっかりと軸にある為か、それなりに面白い映画だと今見直しても評価出来る作品だったが、「殺しのドレス」ってこんな作品だったっけ?と、今では、何故公開当時にあれ程の話題を巻き起こしていたのか驚きを隠せなかった。
映画は、制作されたその時代を多く反映している為に、宣伝効果や、その時代のカラーなどで、公開した時は面白いと思って絶賛した作品を数年後に再度観て、面白くないと感じてしまう事もあるので、映画ファンとしては、同じ映画を再度見直すと言うのは結構難しい選択だ。折角お気に入りの作品だったものが、嫌いな作品へと降格してしまう事も有る。
勿論その逆のパターンも有って、若い頃に観て理解出来なかった作品や、楽しめなかった作品を再度観てとても気に入ったと言う事もあるからだ。ピッチコックを越えるサスペンス映画監督と言われたデパルマだが、やはり彼の作品は賛否の分かれる作品が多いと思う
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