みじかくも美しく燃えのレビュー・感想・評価
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美しい二人がすること
モーツァルトの美しい曲と共に
50年以上前の作品とは思えない
美しい景色の映像と古さを感じさせない
愛らしい美女と爽やかな好青年。
そんな美しい二人が、
地面に生えるキノコや木の枝の実を
むさぼるように取って口に入れる。
吐きもするが、また取って口にする。
この対比だろうか。
妻子が居ながら、別の女性と逃避行。
何度も出て来るガマクチと僅かな硬貨。
この青年は、二人の行く末をどう思っていたのか。
女性は得意の綱渡りでお金を稼ごうとするが、
セクハラまがいの雇い主と恋人が争い、金を受け取れず、ジリ貧のまま。
元の場所に戻ると、二人の仲は引き裂かれ、
脱走兵の青年は逮捕され刑務所送りとなる。
本当に美しく燃えたのだろうか。
二人お互いに好きではあったろうが、
青年の独りよがりな考えに
生活経験の少ない女性が追随してしまった
結果ではなかろうか、と考えて
命を長らえる手段を導いて欲しかった、
と願う自分がいる。
醜くとも長く生きたいね。
音楽だけの映画。モーツァルトピアノ協奏曲第21番 第2楽章だけの映画で、この映画の影響で、モーツァルトを軟弱な作曲家として、誤解をしていた。モーツァルトを使って、不倫の心中なんてもってのほか。また、
調べると軍人と綱渡りの芸人の不倫(?)の話しで、事実に基づくフィクションのようで、軍人も下士官止まりで、中尉なんかではない。だから、反戦運動を盛り上げる為に忖度して作った部分が多いと想う。僕の時代にはどストライクな流行り映画だったが、オクテな僕には恋愛は『メロディー』止まりだった。
『フリーセックス』と『ベトナム反戦運動︼の高まりで、戦争の犠牲者見たく描いているが、スウェーデンやデンマークは中立を掲げながら、ナチス・ドイツを排除出来なかった歴史は残ってしまっている。だから、今でも、スウェーデンはフィンランドがNATOに加盟したのに、簡単にはそれを受け入れる事ができない歴史がある。
まぁ、そんな硬いこと言わずもがなたかが。ここでえがかれている事は、タブロイド紙のゴシップ級の寓話である。
『何年かすれば、二人を分かってくれる時が来る』と、このイケメン自己中青年はのたまうが、未だにそんな時は来ていない。
『美しい』と言った価値観を『ドイツとデンマークの混血』を理由にしている様に日本では見た者も多いと思う。僕もその一人だったが、この頃から白人少女の美しさを別の形で見られる様になった。つまり、トレーシー・ハイドやオリビア・ハッセーの出現である。どちらも金髪ではないし、アーリア系ではない(そんなのがあればの話だが)。でも、トレーシー・ハイドもオリビア・ハッセーもアングロ・サクソンそのものではない美しさがあると思うが。だから、ジャーマン系の血筋を『美しい』とする価値観に抵抗感を覚える。煮えきらない軽薄なモラトリアム青年と軽薄な少女の出合いの話になってしまっている。二人の結末に何も得るものは無い。
見た事があったようだが、僕にはトラウマの様な映画だったようだ。
似たような話に『ベニスに死す』があるが、それとこれとは全く違う。なぜなら、語るまでもない。
サーカス芸人は本当にドイツとデンマークの混血だったのだろうか?さて。
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