「醜くとも長く生きたいね。」みじかくも美しく燃え マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
醜くとも長く生きたいね。
音楽だけの映画。モーツァルトピアノ協奏曲第21番 第2楽章だけの映画で、この映画の影響で、モーツァルトを軟弱な作曲家として、誤解をしていた。モーツァルトを使って、不倫の心中なんてもってのほか。また、
調べると軍人と綱渡りの芸人の不倫(?)の話しで、事実に基づくフィクションのようで、軍人も下士官止まりで、中尉なんかではない。だから、反戦運動を盛り上げる為に忖度して作った部分が多いと想う。僕の時代にはどストライクな流行り映画だったが、オクテな僕には恋愛は『メロディー』止まりだった。
『フリーセックス』と『ベトナム反戦運動︼の高まりで、戦争の犠牲者見たく描いているが、スウェーデンやデンマークは中立を掲げながら、ナチス・ドイツを排除出来なかった歴史は残ってしまっている。だから、今でも、スウェーデンはフィンランドがNATOに加盟したのに、簡単にはそれを受け入れる事ができない歴史がある。
まぁ、そんな硬いこと言わずもがなたかが。ここでえがかれている事は、タブロイド紙のゴシップ級の寓話である。
『何年かすれば、二人を分かってくれる時が来る』と、このイケメン自己中青年はのたまうが、未だにそんな時は来ていない。
『美しい』と言った価値観を『ドイツとデンマークの混血』を理由にしている様に日本では見た者も多いと思う。僕もその一人だったが、この頃から白人少女の美しさを別の形で見られる様になった。つまり、トレーシー・ハイドやオリビア・ハッセーの出現である。どちらも金髪ではないし、アーリア系ではない(そんなのがあればの話だが)。でも、トレーシー・ハイドもオリビア・ハッセーもアングロ・サクソンそのものではない美しさがあると思うが。だから、ジャーマン系の血筋を『美しい』とする価値観に抵抗感を覚える。煮えきらない軽薄なモラトリアム青年と軽薄な少女の出合いの話になってしまっている。二人の結末に何も得るものは無い。
見た事があったようだが、僕にはトラウマの様な映画だったようだ。
似たような話に『ベニスに死す』があるが、それとこれとは全く違う。なぜなら、語るまでもない。
サーカス芸人は本当にドイツとデンマークの混血だったのだろうか?さて。