「同性愛者の男たちが集う空間と時間に繰り広げられる本音の会話劇」真夜中のパーティー Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
同性愛者の男たちが集う空間と時間に繰り広げられる本音の会話劇
タイトルが表すように真昼には行われない、夜に限定された時間に、同性愛者の男たちの本音が語られる演劇映画。偏見や差別から逃れて、一夜の誕生パーティーに集う男たちの切実な姿が写実的に描かれている。その真面目さには自嘲の笑いもあり、何処か侘しく物悲しい。次第に彼らの心境を正直に告白させていく展開を繰り広げるが、結論はない。ルメットの「十二人の怒れる男」を模倣したような交差する会話劇に見入りながら、その真剣さに人間の悲哀を感じる。でも、この映画が求めるものは同情ではなく理解だろう。オフ・ブロードウェイらしい題材の特異な存在にある作品。
1978年 11月16日 池袋文芸坐
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