赤い風車のレビュー・感想・評価
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ベルエポックの時代のパリを見事に再現
1890年から物語は始まり、1901年のロートレックの死を持って終わります
正にベルエポックの時代です
モンマルトルのカフェ、そして題名の赤い風車のある超有名なムーランルージュの当時の猥雑な有り様が見事に映像で再現されています
そして彼と親交のあったアンデパンダンに集うこの時代の新印象派の芸術家達の理屈っぽさも描かれます
有名なムーランルージュの歌や、あの今では運動会の音楽として知られるラインダンスの音楽も見せ場として序盤にたっぷり堪能できます
ロートレックの破滅型の人生を描くだけでなく、このムーランルージュを取り巻く人々をしっかりと描いてあり、ベルエポックそのものを通してロートレックの人生を描いています
流石はジョン・ヒューストン監督でロートレックの愛憎とその背景、時代の有り様を手際よく絡めてまとめ上げています
彼の作品が好きな方にはマストの映画であるとおもいます
大成功で 居場所を失うロートレック
アメリカ 赤狩りの時代に 嫌気がさして、ヒューストン監督が ヨーロッパで撮った作品
豪放磊落そうな監督が 繊細なロートレックとムーラン・ルージュの人々の雰囲気をそれなりに上手く描いている
恋多き歌姫 ジャンヌを ザ・ザ・ガボールが、演じていて 彼女の人生と重ね合わせてしまい(9回結婚)、何やら可笑しい
ロートレックと その父親を、メル・ファーラーが好演している
足の問題 もあるが、「ムーランルージュのラ・グリュ」のポスターが大成功したことで 店の客層が変わり、結果的に 居場所や友人を無くしてしまったことが 悲劇である
不健康な生活を送ったことで、若くして亡くなるが、意外に作品数は多く、感心する
マリーに絶望し、ミリアムを失うことになる彼だが、実際は娼婦達との付き合いも多く、映画の方は上品に まとめられている
ロートレックの女性観が 冷ややかなのは、女があまり好きそうでない 監督の私見が入っているのでは…と、思ったりもする
(でも 監督も5回も結婚した←反省してたらしい)
ロートレック
どうも見たことあると思っていたら『葡萄酒色の人生 ロートレック』の記憶だった。この映画では夜の女マリー(マルシャン)がメインだったけど、さすがに1998年の映画と比べると上品な会話。それでも変態チックな台詞があったような。脚の短さからくる蔑みにも負けず、絵に打ち込む姿がいいし、時折悲しげな表情をするところもいい。
直接絵を描くシーンだとか、本物のロートレックの絵を織り交ぜてあるのだけど、多分当時としては画期的な映像表現。
ベッドに伏している最期のときまでムーランルージュの華やかな踊りが目に浮かぶなんて、よほど好きだったんだろうなぁ~ちょっと悲しくなった。
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