「polax」ポーラX aspirinsnow1192さんの映画レビュー(感想・評価)
polax
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見終わった直後の感想は、これがフランス映画だなって感じだった。丁寧な情景描写や半透明な諸人物の感情が随所に見られた。一方では、最初の空爆・活動家のacid演奏・血の河など衝撃的なシーンもあった。
「真実」と「偽」について
この作品には偽あるいは嘘はいくつも見られる。母マリーが隠した姉イザベラの存在・ピエールが書いた「光の中で」・フランスという国に隠された闇(人種問題など)。それに対し真実と呼べるものはなにひとつ無いように思われた。
ピエールについて
ピエールは身がボロボロになりながらも、自らの作品作りを通して真実を追究していこうとしていたようにみえるが、本当にそうだったのだろうか?
第一にピエールは、イザベルが姉であるか否かを敢えて追求しようとせず、一人の女性として愛した。第二にピエールは、イザベルとの関係を壊したくないがために、リューシーの正体を偽った。
この背反な行動の中に編集者の言うとおりピエールの「未熟」さが有り、本人もそれに気づきながら苦悩したと思われる。
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