「ギョーム・ドパルデュー」ポーラX kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ギョーム・ドパルデュー
父の遺産によって、母マリー(ドヌーヴ)とお城に住む仮面小説家ピエール(ドパルデュー)。婚約者リュシーとの結婚準備も順調だったが、彼の周りをうろつく謎の黒髪の女の存在が気になっていた。追いかけて問い詰めると、彼女は姉のイザベラだと名乗ったのだ・・・
以前より「この世を超越する」と渇望していたピエールはリュシーも母も捨て家を飛び出し、イザベルと暮らすようになった。二人が結ばれてしまってから超越した人間への興味は失せてしまったけど、母のバイク事故死、リュシーの病気、そしてリュシーが自ら二人と一緒に住むことになったことで急展開する。アパートに住むインド人の少女が死んだエピソードの衝撃はすでになくなっていた・・・ううむ。
妄想と混沌だけの小説家。文学的なんだろうけど、そうした小説家の辿る末路は知れたもの。ただただ暗い雰囲気で進むストーリーで、イザベルも遊覧船から飛び込み自殺未遂してしまう。そして従兄弟であるティボーの存在。追いつめられるほどの確執があったと思えないが、ピエールに銃殺を決意させてしまった。小説家としての悩みのほうが重要な位置を占めているんだろうけど、このあたりはよくわからない・・・
ギョーム・ドパルデューは1996年にバイク事故。2003年には右足を切断しているという。そして2008年10月に急逝。本作でもバイクで転倒しているシーンがあるし、ドヌーヴのバイク事故死のシーンもひどく象徴的。
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