「社会の寛容さ」ぼくの伯父さん 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
社会の寛容さ
今作のテーマは社会の寛容さなのかなと思う。ユロ伯父さんは純粋な子どもっぽさを残した良い人だが、社会性に欠けていて、規律という言葉からはかけ離れている。サラリーマンは絶対に務まらないだろうタイプだ。案の定、妹の夫が勤める工場でも使い物にならない。だが周囲はそんな彼を強く咎める訳でも無く、こういう人なのだと受け入れる。作中では街の子供によるイタズラのシーンもしばしば出てくるが、どこか笑って流せるような可愛らしさがある。世の中には様々な人がいるということを認める社会の寛容さが、人々の生きやすさ、社会の温かさにつながる。ひいては社会全体の幸福度の向上をもたらしている。そんなことを考えさせられる映画だった。
ただ、大した出来事も無い日常生活を中心に描いたストーリーなので、自分にはあまり面白いとは思えなかった。
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