ベスト・キッド(1984)のレビュー・感想・評価
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変な日本だけど、工業製品以外の日本がアメリカに認められた
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
昔観た時にはもっと面白かったと思ったのだけれども、今観直してしてみると、あれれ、こんなものだったかなという安っぽいところがちらほら。でも近所のただの爺さんが実は空手の達人で、虐められっ子の師匠となって彼を鍛えて成長させるという設定が良い。物語も王道で、単純だけどすっきり。
登場人物の良い点は、師匠であるノリユキ・モリタが存在感があること。敵役のジョニーも、力を武器に好き勝手するいかにも虐めっ子という雰囲気が良く出ていた。主人公は当初はかなり情けない役回りで、これを演じたラルフ・マッチオもこの主人公の性格が嫌だったようだが、虐められっ子としてはいい感じだった。
車を磨いたり塀を塗りなおす変な修行は実際には全く役に立たないだろうし馬鹿馬鹿しさも覚えるが、作品としてはこれで師匠と空手が特別な力があるという印象を植え付ける意味がある。まだまだ日本への理解が浅いけれども、アメリカに日本製品が溢れて貿易摩擦が起きていた当時の日本の印象が、これで多少なりとも良くなったり日本文化を広めたのは画期的なことだ。
大切なものを守るための拳法
ノリユキ・パット・モリタに癒されたい
ノリユキ・パット・モリタがとても優しくて、癒される。実際、あんなトレーニングはバランスと防御しか練習しておらず、試合で勝てるとはとても思えないのだが、誕生日でケーキや自動車をくれたり、空手の修業をしてもらえるなんて嬉しすぎる。
ご本人は妊娠した奥さんを亡くしてずっと悲しみを抱えているのだが、いい人オーラが出まくっていてずっと近くにいたい。
昔見た時は、本当に空手の達人に見えたが、しかし今見ると、空手の動作はスピード感や鋭さがなく、全然強くなさそうだった。
ラルフ・マッチオはお調子者で意地悪されるのも仕方なさそうな感じもあるが、あのくらいの調子こきは若い時には誰にでもあるレベルなので、あんまり目くじらを立てないで欲しい。彼女がぽっちゃりしていて可愛らしかった。
押し掛けしなければエンジンが掛からない車に乗っているお母さんもとても健気で愛おしい気持ちになる。
クライマックスの鶴の構えからの上段前蹴りは、アンデウソン・シウバやリョート・マチダがUFCで実際に決めていて、もしかしたらこの映画を参考にしたのかもしれない。
(追記)20250809
NETFLIXドラマ『コブラ会』を見るに当たって見返す。最初は映画館で、その後も何度か見ているのに小5の長男が空手を習い始めたのでますます他人ごとではなく面白い。
ミヤギが軍服を着て奥さんの遺影を前に一人で酒を飲んでいるとダニエルが現れて酒を勧められ身の上話が語られる。やりきれないほどつらい。ミヤギだけでなく、登場人物一人ひとりの背負っている人生がなかなか重い。
トーナメントの大会で準決勝でジョニーと戦った人が一番強そうだ。
スポーツ青春映画の基本
古い映画になってしまいましたが、スポーツ青春ものは80年代前半の流行でしたね。監督さんがロッキーを作った人なので、通じるものを全編に感じます。妻は「先がわかるから面白くない」と(笑)
公開当時、いじめられっこの主人公に自分を重ねて、いろいろ共感して観ていました。違和感ある日本文化の描き方は当時でも感じたけれど、今になってもハリウッドでの日本の描き方はあまり変わりませんね(汗)。
なんといっても、クライマックスのジュニア空手トーナメント。今でも興奮します!おそらく今皆さんがご覧になると「ありきたり」な展開も、当時はまだ「斬新」だったのです。
ライバルのジョニーが最後、祝福してくれますが、ジョニーの所属するコブラ会師匠の非情かつ卑劣なやり方に最後ジョニーも戸惑いの表情を見せていました。だからこそ、勝負として最後まで戦い抜き、そんな自分を打ち負かしたダニエルに対し、「負けた」を認めたのではないでしょうか。
リメイク版を観る前に観ておきたいと思ったので..
今見ると・・・
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