「ダニエルさんとミヤギさん」ベスト・キッド(1984) かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ダニエルさんとミヤギさん
原題は『The Moment of Truth(正念場、の意味)』その後『カラテキッド』に改題。
世界中で大ヒットして、次々に続編が作られた事でも知られてます。
【ストーリー】
転校先でいじめられたダニエル(ラルフ・マッチオ)が、中古車販売店のミヤギさァん(パット・モリタ)にカラテで弟子入りして、悪のカラテ道場コブラ会のいじめっ子たちをボコボコにするぞ!
ストーリーはとてもシンプル。
いじめられっ子が復讐のために格闘技を学び、人間的にも成長するという王道なモノ。
ダニエルさんの技のキレがイマイチとか鶴の構えがフラフラしてるとか、ラストの蹴りは敵から突っ込んで来てくれてるとかまあ格闘演技的には色々と言いたい事もありますが、そこはお口チャック!
サニー千葉こと千葉真一のフィルムでの活躍もあいまって、カラテ道場が各地に乱立、ブルース・リー以降高まった東洋格闘技熱を世界に広げる契機にもなりました。
いろいろと調べたところ、外国人が大好きな日本の神秘性は、技や力だけでなく、この映画にも描かれた「禅」という思想性。
独自に「禅」を学んだ者の中には、自分勝手な点取り屋だったマイケル・ジョーダンを御して中堅チームどまりのシカゴ・ブルズをNBA三連覇に二度導いた元ヘッドコーチ・フィル・ジャクソンや、iPhoneを世界的にヒットさせたアップル社の創始者スティーブ・ジョブズなど、大きな成果をあげた「禅マスター」もいました。
日本人にとっては馴染みある顔のセンセイ・ミヤギ役のノリユキ・パット・モリタ、2005年に亡くなられてます。
ダニエル役のラルフ・マッチオがモリタの葬儀に参列して、「彼はずっと僕の『センセイ』だ」と泣かせる言葉でモリタ氏を諡ってました。
さてここからは閑話休題。
パット・モリタにはマック・クリハラというお顔激似の従兄弟がいました。
はい、アップル社とは関係のないマックです。
彼は有名なボクシングのトレーナーで、かつて国内で井上尚弥級のスーパースターだった辰吉丈一郎、それを破った薬師寺保栄のセコンドについていた事は、ボクシングファンの中では知られた話。
YouTubeに二人の対戦が残っていまして、パット・モリタにクリソツのマック・クリハラが、インターバルで薬師寺に語りかける姿が見られますよ。
残念ながらマックさん、今年(2023年)一月に、こちらも亡くなられてます。
享年90歳。
そのお弟子だった薬師寺保栄さん、「厳しかったけど、選手思いのいいトレーナーでした」とこちらも泣かせるコメントをしてくれてます。
続編がたくさん作られたこの作品、しかしながら、最新続編が『コブラ会』っていうのは、流石に誰も予想してなかったかと。
え?そこ?と。
懐かしいですね。私は中学生の時、生まれて初めての試写会でこれを見て、感動しました。さすがロッキーの監督だーなんて思った覚えがあります。空手の時の、R・マッチオの指が曲がっていたのが印象的です。