「言葉が通じないときの切実さ」ブラック・レイン 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)
言葉が通じないときの切実さ
松田優作の遺作であり、過去観たことあったけれど、アマプラ配信見つけたので、もう一度みてみた。全体的にカメラワークが自然で、また、深みのある映像美があって、監督のセンスを感じた。脚本もリズムあって、抑揚も効いていたので飽きさせない展開だった。
マイケル・ダグラス演じる破天荒なアメリカ人の刑事が日本にやってきて、言葉が通じないもどかしさを重ねて、クラブに居るアメリカ人女性に、”言葉が通じないとどうにもならない、たすけてほしい”といった旨のことを書いていて、切実さが伝わってきて、あのシーンが実はすごく印象に残った。
高倉健も英語のセリフはあっても、朴訥さはにじみでていて、しゃべる言葉が違っても雰囲気は同じなんだなと思った。マイケル・ダグラスは終始、悲壮さ、思い詰めた感じだったけれど、最後に笑顔になって帰っていくときの清々しさが印象に残った。
松田優作は顔の表情や立ち振る舞いだけで伝わるものがあって、このとき身体の調子もあまり良くなかったのにと思うと役者魂をみせられた思いがした。
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