「ブレードランナーとの相似形」ブラック・レイン あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
ブレードランナーとの相似形
つい先日「ナポレオン」を観たばかり。昨年は「最後の決闘裁判」を観ているし、リドリー・スコットの芸域?の広さには感服するばかり。
さて本作を久しぶりに劇場でみて気づいたのはこの映画の7年前に公開されている「ブレードランナー」との相似。夜の大阪の光景と近未来ロスアンゼルス光景がよく似ているってのはもちろんあるんだけど、松田優作率いる半グレ一味とレプリカント集団はよく似ている。佐藤の指示で貸金庫に偽札の原版を取りに行く一味の女の衣装や雰囲気はブレードランナーのレイチェルにそっくりだし。内田裕也はじめ一味のメンバーはヘルメットなどで顔を隠していることが多くセリフも少ない。何か非人間的でモンスター佐藤に機械的に操られている感じがするのもこれは狙いでしょう。ただガッツ石松だけは例外で彼だけはさすがのリドリー・スコットも演技指導できなかったんじゃないかな。
古い任侠組織が新時代の暴力集団に生理的な嫌悪感や抵抗感を感じるのは割とよくある話でそのあたりはブラックレインの言葉の意味合いとともに若山富三郎演ずる親分が映画内で説明している。
この新しい暴力集団の個性を表現するために監督は自作のレプリカントをサンプリングしたのじゃないかな。
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