ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのレビュー・感想・評価
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2000年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️✨
『ヴィム・ヴェンダース レトロスペクティブ ROAD MOVIES/夢の涯てまでも』にて鑑賞。
今回のヴェンダース特集の中で、この作品は唯一何度か観た事がある作品。直近でいつ観たかは忘れてしまったけど、もう観なくても良いかなと思ってたけど…やっぱり観て良かった!(笑)
ラストのカーネギー・ホールのシーンは、何度観ても感動してしまう!
イブライム・フェレールがステージに佇んで、観衆の万雷の喝采を浴び、ちょっと涙ぐむシーンはやはり涙なしでは観られない(泣)
この作品に出演している歌手やミュージシャンの多くは、この作品が世に出るまで忘れ去られ、正当な評価を得られずに来た。それに大きなスポットライトを当て、世に知らしめたライ・クーダーの功績はあまりにも大きいと思う。
普段、好んでキューバ音楽を聴いたりすることはほとんど無いが、この映像作品だけは例外だ。
超オススメ!!!笑
*ライ・クーダーのこの作品における貢献度はあまりにも大きいのは確かだが、正直キューバのミュージシャンと共演する彼の演奏は今ひとついただけない(笑)
特にあのスライド・ギターに代表される彼のエレキ・ギターのサウンドが、このキューバの音楽に合っている様には到底思えない。変な効果音ぐらいにしか聞こえないのだ。
特にルベーン・ゴンザレスとの共演シーンでは、彼のピアノの音の邪魔になっているし、そのピアノが生み出すリズムさえも損なっている。
この音源がもしリミックスされる事があったら、ライのギターは是非ともオミットしていただきたい(笑)
レジェンド
キューバ音楽とご老人のドキュメンタリーというのも相当地味ですから頭だけで考えたら世に出なかった企画かもしれませんね、何より作り手が心動かされて撮っているから良いものができました。
キューバ音楽と言うとペレスプラード楽団のマンボなどの印象が強いのでちょっと違うなという感じ、もちろん悪いわけではないが歌詞などはまるで歌謡曲、それだけ大衆に親しまれたのだろう。ただブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブはキューバ革命で閉鎖された、以前の共和制の時代の首都ハバナの会員制高級社交場だから民族音楽よりは洗練されているし演奏などにもジャズの影響が伺える。
バンドを復活させたライ・クーダー氏はスライド・ギターの名手だがレコード・プロデューサーとして予てよりアフリカやインド音楽とアメリカンミュージックのクロスオーバー企画に意欲的でアルバムはグラミー賞をとっていました。
その延長でアフリカンとキューバンミュージックのクロスオーバー録音に臨みましたがアフリカのミュージシャンが参加できなくなった為、キューバのレガシーなミュージシャンでの企画に変更、これが大ヒットし本作に繋がります。
映画音楽も手掛けていて長年コンビを組んでいるビム・ベンダース監督にテープを聴かせたところ大うけ、ドキュメンタリーを作ろうと意気投合し予算も決まらないのに直ぐにキューバに飛んだという。
撮影はソニーの小型DVカムとテレビのロケ並みで簡便、それでもベンダース監督らしく堅苦しいインタビューではなく街角を歩きながら鼻歌を歌わせたり、バレリーナの卵たちに囲まれてにこやかにピアノを弾く様子とか簡単な演出を交えているところが素晴らしい。
ライ・クーダーさんはギタリストとして12弦ギターのような民族楽器ラウーにも興味を惹かれたのかもしれませんね、息子のヨアキム・クーダーさんもパーカショニストとして共に演奏に参加していました。
肝心の演奏もさすがレジェンド、歳を感じさせないどころか味合いが深まって聴こえます。
ジジイが歌う踊る
Bunkamuraルシネマにて。大画面で観られて良かった。言い方悪いけど年寄りの音楽って最高。日本は年寄りはとっとと引退しろって雰囲気だけどキューバを始め、海外は高齢の音楽家はいつまでも現役でとっても尊重されてると思う。わたしがキューバ音楽に傾倒するきっかけとなったCien Fuegosが流れたときは心躍った。ピアニストのルベーンが大切な写真たちをブルーのくしゃくしゃのビニール袋に入れて持ち歩いてるところがかわいかった。個人的にはピオレイヴァがすき。そしてキューバ音楽にはトランペットが不可欠だなぁと再確認しました。
キューバ人は、感謝の心を忘れない
映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」
(ビム・ベンダース監督)から。
グラミー賞受賞アルバム「BUENA VISTA SOCIAL CLUB」に参加した
ミュージシャン達とその後を追ったドキュメンタリーであるが、
一言で表現すると、一人ひとりの存在がとても温かで眩しかった。
1999年ドイツ・アメリカ・フランス合作映画であるが、
「私は1907年生まれ」とか「トランペットを吹いて47年になる」
「人生でステキなものは、女と花とロマンスだ」
なんてインタビューが山ほど出てくる、誇りある高齢者が勢ぞろい。
そういえば、映画の中では、こんなフレーズが出てくる。
「忘れられた存在でも、喜んで演奏し、寛大に心を開いて、
知識や才能を発揮してくれた」・・そのとおりの演奏だった。
以前から「キューバ」という国は、小国にもかかわらず
野球やバレーをはじめ、どうしてなんでも強いんだろうかと、
疑問を持っていたが、その答えを、楽器演奏者の口から耳にした。
「キューバ人は、感謝の心を忘れない。
もし物欲の道をたどっていたら、キューバ人はとっくに滅びてたろう。
そういう意味で、キューバは小国だが、強い国だ。
抵抗という事を知っている、いい意味でも悪い意味でも」
他国からの支配を受け、キューバ人は、言葉では表現できないほどの
屈辱を味わってきたにもかかわらず、感謝の心を忘れずに、
なにくそ、負けてたまるか、という反骨精神で立ち上がってきた。
このアルバムを聴くたびに、そんな力強さを感じていたのが、
やっと理解できた。
「映画」というより「生きてる実感、これぞ人生だ」が相応しい。
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